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3.13 神堂と皇極と神代の関係

 皇極は高校教頭室を訪れていた。

「中央図書館長が直々にいらっしゃるとは、何かありましたか?」

「はい、少し確認したいことがありまして」

 二人は一歩下がった口調で話す。

 しかし皇極の表情は厳しかった。

「こうして一対一でお話しするのは久々ですね。

 あの一件以来避けて」

「本題に入ります。

 今、神識について教師達が動いています。

 何か知りませんか?」

 皇極は神堂の話を遮り質問をした。

 その表情と口調からは明らかに怒りが込められており、言葉遣いも崩れてきていた。

 神堂は変わらずに落ち着いて答える。

「何かとは?」

「何でもいい。

 知っている事を教えてください」

 皇極の口調から焦りも感じるようになった。

「なぜです?」

「私達は封印を管理する立場にある。

 現状把握したい。

 そのことは知っているはず」

「わざわざ来ていただいたのに申し訳ありませんが、私が話せることはなさそうです」

「では、なぜ新山隼を調べているのですか?」

「ご存じでしたか」

 そのときドアがノックされ、会話がとぎれる。

 ドアが開き、立っているのは神代だった。

 神堂が説明をする。

「すみません。

 急ぎの用事なものですから。

 後ほど連絡をいただけますか」

 皇極は仕方なく部屋を出た。

「くそっ。

 生徒会もか?」


 教頭室で再び会話が始まった。

「神堂教頭! 何を考えているの?」

 強く怒鳴るように言う神代に対し、神堂は相変わらず落ち着いている。

「貴女にそう呼ばれるのはむず痒い。

 いつも通りで良いです」

「なぜ隼の調査をしているの」

 笑みを浮かべ、神堂が答える。

「御存知でしたか。

 貴女は大変優れた魔導師です。

 しかしセカンドクラス。

 そう言うことです」

「隼が実力を隠していると思っているの?

 なぜ佐藤を使ったの?」

「私は皇極館長に借りがあります。

 この程度で返せるものではありませんが、少しでもと」

「何を狙っている?」

「どういう意味ですか」

「何かあったら殺すわ」

 神代は乱暴に部屋を出て、壁を叩いた。

 拳の皮が破れ、血が滲む。


 部室まで行くとまだ灯りがあった。

「どこへ行っていたの!」

 方条が怒ったように言った。

「ちょっと用事があって」

 神代は小声で答えた。

「まあ、いいわ。

 帰ろっ」

「うん」

 方条は神代の変化に気づき、追求を避けた。

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