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3.10 神識

 ちょうど草薙が来た。

「すまない。

 本題に入る。

 この本は「神識」(しんしき)について書かれている様だ」

「新識? って何?」

 大島が答える。

「能力に興味ない隼が知らなくて当然だな」

「倉瀬も知っている?」

「だいたいは」

「流石、クラスファースト」

 その後、松田を見てわざとらしくため息を吐いた。

「なんだよっ。

 自分だって知らないくせに」

「悪いけど、二人に説明してくれないか?」

 草薙は倉瀬を見て言った。

 草薙も解るように説明する自信がなかった。

「神の識、って書いて神識」

「そういうことか!」

 口を挟んだ松田に隼が

「うるさい。

 黙ってろ。

 最後まで聞けっ」

 松田が小さくなる。

「ありとあらゆるもの、万物、森羅万象、全ての完全な識と考えて良いんじゃない。

 まさに万能の識。

 不可能なことはないと思うよ。

 全知全能の神の力って言うのかな」

「そんなのがあるのか?」

 松田の質問に草薙が答える。

「さあな、そこまでは解らない。

 倉瀬の神識の説明は間違っていないが、万能の識や完全な識とは違う、言語に直せない力もある。

 説明できない部分がある。

 識は理解であって、言葉には出来ないからな。

 理解ともちがうのだろうが。

 それに神識は識とは全く別のものかもしれない。

 ただ、今言えるのはこの世界を創造維持する神の知識だと言うこと」

 倉瀬と大島がうなずく。

 松田はいまいち理解できないようだ。

 隼が質問する。

「僕の理解を超えているな。

 その神識の事がここに書いてあるのか?」

「神識に関係あるということは感覚的に解ったが、そもそもこれが字なのかも解らない。

 読み取るものではないかもしれない。

 とにかく力を感じる」

「草薙の力で引き出せないの?」

 松田が軽く尋ねる。

「やってみなければ解らないが多分無理だ。

 何かを引き出したとしても制御は無理だろう」

「試しにやってみれば」

 松田が全員に睨まれる。

「冗談だって」

「つまらない発言は控えた方がいいぞ」

 大島が脅す様に言った。

「松田だけ消えればいいけどな」

 隼が言った。

「何が起こるかわからないから能力で干渉するのは危険だ。

 強い力を感じるし、軽はずみに使うわけには行かない。

 本についてはこんな所だ。

 あと、ちょっと隼に話があるからみんなは先に帰ってくれないか」

 隼と草薙を残して、三人は部屋を出た。

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