3.4 教師達の動き
公園に着き、犬と散歩している人のいる風景を眺めながらベンチで読書をする。
九時になり、タイムへ向かうと入り口で信一にちょうど会い、一緒に入った。
テーブルに着き、注文が終わると信一が真剣な面もちで隼に尋ねる。
「実は聞きたいことがあるんだ」
「何ですか?」
「教師達に不審な動きがあるんだけど。
何か知らない?」
「中学の先生ですか?」
「いや、能力を持つ教員全体。
中学も高校も、たぶん小学校も」
「よく解らないのですが」
今日を含め、最近の不可解な出来事との関連を考えると同時に、昨日、教師達が早朝に何かをしていた事を話した。
「うーん。
やはり何かありそうだね」
「校長先生もわからないのですか?」
信一の父は高校校長。
「能力者じゃないからね。
調べているようだけど。
優秀な能力者の隼君なら知っているかと思ったんだけど、わからないか」
信一はジョークを交えて言っているようだが、隼は表情を変えなかった。
ちょうど料理が運ばれてきた。
「こんな話しはやめて食べよう」
信一はこの話題をやめ、二人はそれから二時間ほど様々な話しをした。
隼は久々に会話を楽しんだ。
店を出て信一と別れ、少し本などを見ていくことにした。