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2.6 担任と統括教頭
「失礼します」
佐藤は高校教頭室をノックした。
窓から黄昏を眺めているのはやや小柄な六十代の男。
白髪を後ろへかき上げている。
「佐藤君ですか。
どうでしたか?」
「中央図書館で二年十二組の草薙昇樹に本を調べてもらったようです。
字の能力者です」
「草薙君ですか。
もちろん知っています。
最も有望な術者の一人ですからね。
休日なのにありがとうございました」
神堂教頭は高校までの教員全体を統括している。
術者連盟総帥でもあり、最も優秀な術者と言われている。
「いえ、それでは失礼します」
佐藤が出ていったあと、応接用のソファーに腰をかけ一服する。
「動き出したようだな。
そろそろ考えないといけませんね」
佐藤は廊下を歩きながら一人つぶやく。
「まったく、人使いが荒い。
あの教頭は何を考えているんだ。
そろそろ本格的に調べる必要があるな」




