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わけ








 恋は盲目とはよく言ったものだ。

 文字を目で拾い、言葉を耳で拾い、全身で思考を巡らせて、休ませてくれはしない。

 一日中、日本語のことを考えてばかり。




 幸せ。

 なのだろうと思う。

 夢中になれる存在に出会えたことは。

 けれど、時々、取り込みすぎては目の前が真っ暗になって、視界が封じられて初めて過呼吸を起こしていることに気付いたかと思えば、意識がぷつりと途切れるのだ。


 加減を知りなさい。

 母によく言われるのだが、どうしようもない。

 だって日本語は常に身の外からも身の内からも生まれ続けている、聞こえ続けている、見え続けている、感じ続けているのだから。


 どうしようもないな。

 楽観的に考えていたところに舞い込んだお見合い話。

 奇跡の出会い。




 あの人のへたくそな、意味があるのかないのかわからない日本語が羅列されている鼻歌を聞いている時はどうしてか。


 脳が安らかに休止するのだ。

 身体が安らかに脱力するのだ。




 どうしようもないことがどうにかできるかもしれないのなら。

 どうにかしてやろうと軽く思ったのだ。











(2021.10.26)



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