その2 アルラウネさんはのんびり過ごしたい 作者:幽々自敵様
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気が付くと植物の魔物である『アルラウネ』となり転生してしまった主人公。『転生』がNGだって……あれは嘘だ!!
人ならぬ崖の途中の岩棚に生えている植物の魔物が色々あって壁をよじ登り、『毒花粉』と『茨の蔓』を使って近寄る魔物を打ち払って冒険している間に、とある辺境の村の女の子と友達になり、やがて村の一員として成長していくお話です。
アルラウネネタは書籍化・コミカライズされている有名作品もありますが、こちらは人に擬態して冒険者として村に住むという設定に心惹かれます。
毒を用いて村人が苦労して倒す魔物の猪や大蛇も倒してしまい、村にとって役に立つ存在としておかしいと思いながらも受け入れられていくアルラウネ。その理由は、『獣人の村』であるからかもしれません。
『お花のお嬢さん』とよばれ、親友となった猫獣人のミーシャ(熊じゃねぇのかよ)には「お花さん」と呼ばれる主人公ですが、最初は全く言葉が話せません。ですので、コミュニケーションはパントマイムだったりします。それでもけっこう思いは伝わるもので、次第に村の獣人とも打ち解けていくようになります。
ほのぼのとした中にも、アルラウネを狙う存在が現れたり、アルラウネを魔物と知りながら、『ユニーク個体』として亜人のように扱う薬師の老婆が登場したりで、鄙びた辺境の獣人村にも次々と事件が発生するのですが、みんな『お花さん』の影響だったりします。
人間なら爆死する状況でも、植物故に復活し派手なアクションを披露するアルラウネ。人間に擬態しているからこその動きが光ります。
怪しい婆さん師匠に『魔法』を教わり、より冒険者らしくなっていく『お花さん』。話せない代わりに、読み書きを教わり、文字でコミュニケーションを取りはじめ、すっかり馴染んでしまいます。
村を襲う強力な魔物たち。アルラウネを狙う『魔物使い』の策謀。ほのぼのアクション系ファンタジーとでもいえばいいでしょうか。
既に完結したお話ですが、時間のある時にゆっくり楽しめると思います。
【Nコード】:N0645ER
【URL】:https://ncode.syosetu.com/n0645er/
【掲載日】2018年 03月31日
【最新部分掲載日/話】2019年 08月29日 164話 32.9万字
評価:『菜の花弁当』級
菜の花という季節感を感じる食材を用いた味飯を楽しむ弁当同様、植物系魔物ゆえの縛りを楽しむお話。オカズの量が少ないであるとか、品数が少ないというのは登場人物の限られた辺境の村であること、移動できない若しくは苦手な植物の魔物が人間に擬態しているということからしかたありません。というかそれを楽しもうね。
淡々としたアクションシーンも、動きが十分イメージできる表現をされているので、全体に淡白な印象を感じながらも満腹感を感じる内容だと思います。
30万字という文字数的にも多くない長編作品ですので、読みやすいのではないかと思います。
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