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その18 魔力の系譜 ~名も無き英雄~ 作者:胡麻カルビ様




 魔力の全くない主人公である貴族の三男坊が家を追い出され始まる物語ですが……全然覚醒しません。


 だがそれが良い。


 僅か10歳で実家を追放される主人公。正式な名前はありません。何故なら、一人前になるまでは『ジュニア』『セカンド』『サード』などと生家では呼ばれる慣習の為です。


 母親だけが知っていた秘密。主人公には魔力がありませんでした。本来、貴族の子供であれば、三歳くらいから家庭教師をつけて学ばせる魔法を学ばせない理由でもありました。


 とうとう、魔力のないことが父親にバレた主人公は部屋やおもちゃなどを取上げられ、納戸に追いやられ部屋から出る事も禁じられてしまいます。そして、父親と使用人には居ないものとして扱われ、兄二人には折を見ては暴力を受け、時折訪れる母親だけが相手をしてくれる存在となりました。


 五年の後、彼はいなかった存在として家を追い出されます。




 やがて、とある街の裏路地で行き倒れているところを、若い冒険者の女性に拾われます。


 普通なら、ここで年上のセクシーお姉さんに可愛がられ、偶然ダンジョンで隠されていた能力が発現し、チートな冒険者となりブイブイ言わせていく展開になるのですが……全然なりません。ご安心ください。


 

 お姉さんはとあるBランクパーティーの魔術師で、上を目指す為に新人を育成していこうというパーティーの総意で街でスカウト業をしていました。他の四人はクエスト遂行中で一人拠点のある街を徘徊していたわけです。


 スカウトしたのはいいけれど、どの程度能力があるかわからなかったので、『スカウター』を装着させ、能力を確認すると魔力ゼロ&低スペックでいい所はなにもありません。年齢が若いくらい?


 彼は自分の秘密を知られ、そしてまた家族と同様に蔑まれると考えた結果、お姉さんから逃げ出します。そして、偶然出会った同世代の少年と『ガーゴイル』討伐へと向かい、主人公以外の二人は死んでしまいます。


 一人は、剣技をそこそこ磨いた親分気質の少年、一人は希少な光魔法の資質を持った少年。無能な彼が最後まで動けず、そこに後を追ってきた魔術師のお姉さんが追いつき、一撃で『ガーゴイル』を撃破し助けたので一人生き残ることができました。


 自分が死ぬべきだったんじゃないか、無能な自分は価値がないと再び深く思い込む主人公ですが、一先ずお姉さんの拠点へと連れ立って行きます。




 二週間後、街でうだうだしつつ残りのメンバーの帰還を待ち、四人の冒険者が拠点へ戻ってくるのですが、期待していたリーダーが『何のオーラも感じられない』とバッサリ。


 残りの二人も同じ判断をしますが、唯一、剣士の男だけが「期待していい」とメンバーに伝えます。だが、理由は分からないと。フザケンナ!!


 そして、三日後、『熊』を討伐する試験を受ける事になります。その間に、賛成してくれた剣士と特訓をし、『魔力が全てじゃない』『魔法は補助具』だと教えられ、それまでの心の重石が少し落ちていきます。




 そして主人公が覚醒……するわけもなく、普通にショートソード(子供用)を与えられ、一人森へと熊狩りに向かいます。何故熊狩りかというと、なぜか森から異常発生しているというクエストを受けたからですね。


 つまり、役に立つかどうかその気持ちがあるかどうかを試したかったようです。ポーティーの弓使いと回復術師は準備万端に五人のメンバーは、こっそり主人公の後をつけていき、主人公は大きな『熊』を見つけます。身の丈は二階屋根ほどもあると言いますから、三四メートルほどでしょうか。


 はい、『魔物』化した熊で普通の熊ではありません。パーティーメンバーは大慌てですが、リーダーが『スティ』させます。


 主人公は危険を感じながらも、何故か、剣を弾き飛ばされた後、『素手』で熊の突進を押さえつけ、さらに、張り手を拳で殴りつけ、腹に一撃を入れ昏倒させる事に成功します。


 この理由は、倒した時点ではわかりません。


 こうして、無事、試験をクリアしBランクパーティーの一員として冒険に加わり成長していくことになるのですが……主人公の真の覚醒はこのあと暫くしてからとなるのです。





【Nコード】:N8234CM


【URL】:https://ncode.syosetu.com/n8234cm/


【掲載日】2015年 01月31日

【完結日/話】2017年 05月07日  322話 225.3万字





評価:『デラックス幕の内弁当』級


 能力の覚醒まで、約15万字の物語がつづられていますが、決して不必要なドタバタが描かれるわけではありません。主人公の虐げられ後ろ向きとなった心が、冒険者となり、主人公自身を見てくれる周囲の人間と交流することで少しずつ自信を取り戻し、10歳の少年としては相当優秀な存在へと育っていくことになります。


 虐げられているのだから、簡単に心根が変わるわけがありません。そこが、『なろう』らしくなくてよい所です。


 ちなみに、ランクやパラメーターは多少出てきますが、御印程度であり、そこに表されない能力も大切であると考えている人が沢山出てきますので、あくまで物差しの一つ(出身大学の偏差値程度)だと思えばよいでしょう。



 他に二作のシリーズもあり、既に完結済みなのでそちらも面白いと思います。



 


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