その15 一基当千ゴーレムライダー ~十年かけても動かせないので自分で操縦します~ 作者:葵東様
久しぶりで投稿いたします。
四大精霊と契約……魔法で戦うと誰が言った!
主人公『ルークス』は、先の対戦で活躍し王国を救った英雄ゴーレムコマンダーの忘れ形見。和平の場で父親は敵国に暗殺され、王国は幼い女王の元、国土の半分を奪われてしまいます。
この世界には、所謂四大精霊が存在し、その精霊を使役する『精霊使い』と呼ばれる存在が尊ばれます。先王の時代、精霊使いを育てる『王立精霊士学園』が設立され、5歳から20歳までの15年間をここで過ごし、初等・中等・高等部と各五年間学び、精霊使いとして巣立っていきます。
とは言え、学年30-40人ほどの少数エリート、その大半は貴族が占めます。
主人公は『風』の大精霊の加護を10歳で得た王国有数の精霊遣いのはずなのですが、本人はあまり気にしていません。
シルフは、軍において情報伝達・索敵において重用されており、グラン・シルフは他の精霊使いの支配下にないシルフを支配下に収め複数を使役することができるので、戦場の主導権を握ることができる貴重な存在です。
同じように、主人公の亡き父は、『土』の精霊の使い手であり、戦場においてノームにより使役される『ゴーレム』を扱うにおいて、一体のノームしか扱えないゴーレム使い(ゴーレムマスターと呼ばれる)
を圧倒する『ゴーレム・コマンダー』であったのです。
そう、長くなりましたが、この世界で尊ばれる能力は、『土』の精霊・ノームを使役し、戦闘用ゴーレムを動かし戦わせ戦争に勝利することにあります。
主人公もゴーレムマスターを『熱望』する一人なのですが、彼には残念なお知らせがあります。風の精霊と土の精霊は相性が悪く、複数属性の精霊と契約することは可能にもかかわらず、『風』の大精霊と繋がるルークスはノームとの契約をする事ができずにいたのです。
結果、火の精霊・水の精霊とも繋がれるのに、土の精霊はノームの下位精霊オムとしか契約できなかったのです。
ゴーレムを使役するには、ノームの力が必須。オムの『ノンノン』と共になんとかゴーレムを使えないかと考えるルークスですが、未だ力の足らないノンノンにはゴーレムの形を維持することすら困難なのです。
と、チート能力を持ちながら、その力ではなく自ら求めるゴーレムのマスターを目指す主人公……そして、『土』の精霊ノームで動かすゴーレムを武装させ、戦う戦争。面白いです!!
ゴーレムスミス(ゴーレム用の武具を作る鍛冶師)の娘である幼馴染の同級生、周りには彼の大精霊の力を取り込もうとする騎士団、学園長の暗躍等の大人の思惑。
そして、幼い女王の周りにも、王国を守る気があるのかどうか不明な宰相や、自己主張の激しい軍幹部の元帥、騎士団長と中々不和が見て取れる亡国の兆し隠せない環境です。
主人公が我武者羅にゴーレムマスターを目指す理由の一つに、英雄である父親を謀殺される事が防げなかった王国に対する『怒り』が存在することが少しずつ描かれています。何かのきっかけがあると、その方向に感情が向いてしまう事を恐れ、ひたすら突き進む姿となっているのだと理解できます。
ゴーレムを使う戦いという意外性と、精霊同士の相性で過大な能力は本人の意思と反してしまうという設定。チートなのにチートになれない縛りが「この先どうなるのか」と先を読み進めたくなる気持ちを掻き立てるのです。
ゴーレムマスターになるまでの葛藤、そして、その後の覚醒はカタルシスを感じるすっきり展開となるのではないでしょうか。
両親の仇は誰なのか、どのようなゴーレムを操るのか、ルークスは何故ゴーレムマスターになることを諦めないのか。読み続ける事できた読者はその真実に足りどつけるでしょう。
【Nコード】:N4028FP
【URL】:https://ncode.syosetu.com/n4028fp/
【掲載日】2019年 07月03日
【最新部分掲載日/話】2021年 04月08日 151話 60.1万字
評価:『チンジャオロース弁当』級
中華の定番チンジャオロースをメインとしたほぼほぼザーサイくらいしか他におかずのない弁当です。誰ですか、ピーマン嫌いとか言っている人は。
ノームがゴーレムを動かし、武装したゴーレムが決戦兵器であるという世界観が受け入れられるか否かが一番大事です。
だって、ピーマン嫌いならチンジャオロースじゃなくってカルビ丼でも食ってろって話じゃありませんか。
第二部は週一投稿で継続しておられますので、先が楽しみですね。
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