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ドラゴンの国と深淵へのクエスト ~異世界転移したおっさんが、戦場を彷徨う~  作者: 社畜とキメラ
第一章 異世界転移したおっさんが、壊れた魔導書と旅に出る。
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侵略者

2020/08/22 誤字修正

2020/08/27 サブタイトル 修正 プロローグー>侵略者

2020/08/31 ちょっぴり加筆

竜王。

我々、竜族が敬愛する存在。

我々、竜族が服従すべき存在。


その存在は、異質、その力は、最強。


かつて、この世界に、大きな戦いがあった。

統一戦争だ。


賢人と自称する人間族が、全世界へと進軍を開始したのだ。

圧倒的な力の前に、世界の滅亡は決定づけられる。

竜族の大陸も、半分近くが奪われていた。

敗戦に続く敗戦、滅亡も時間の問題にすぎない。



竜王は、突如、現れる。

物資もなく兵力もなく、敗北が決定づけられた戦い。

その戦いに挑み、奇跡的な勝利を掴み取った。


竜王は無敗。

どんな戦況からも勝利へと導いた。

世界を束ね、賢人へと戦いを挑む。

世界の半分を取り戻したとき、竜王は突如、姿を消した。


我々、竜族が……、竜王を裏切ったのだ。


竜王が居なくなった連合軍は、敗退の一途をたどる。

そして世界は、賢人に屈服したのだ。



それから、数百年が経った。

我々、竜族は、竜王に許しを請わなくてはならない。

竜族、すべての命を差し出しても……

竜王復活、我々、竜族の悲願だ。



地上に住む場所など無い。

我々は、地中深くで暮らしている。

毎日、毎日、ジメジメした坑道の中で、怯えて暮らす日々。

いつ見つかるのか?、いつ殺されるのか?


もう一度、子供たちに、空の下で暮らして欲しいだけなんだ。

幸福でなくていい、裕福でなくても構わない。

ただ、静かに、穏やかに。




ジャリ。


「夜は、冷えるな」


現在、偵察任務だ。

儀式の場所から300mくらい離れた、少し高い場所にいる。

松明を持っているから敵がいれば、さぞかし目立つのだろうな。


私が殺されれば、松明が消え、敵がいると遠目からも分かるのだ。

だから私のような老人……いやクズが任務に付く。


10年に一度、竜王復活の儀式。

何百年も続けているのに、成功例は一度もない。

我々は、何をやっているのだろう?



鮮血のユミル。

天空のフリスト。

オッパイ担当のエイル。

下僕のユーマン。


竜王を守護する四天王。


それを模した4人が魔法陣を中心に、聖なる姿勢で復活を祈るのだ。

フロント・リラックス。

フロント・ダブル・バイセップス。

サイド・チェスト。

モスト・マスキュラー。



かつて、私も参加した儀式だ。

嫌な記憶が蘇る。


私はユミル役で、ユーマン役の男は良いやつで……

フリスト役の女性は笑顔が印象的で、エイル役の女性は胸が大きく一目惚れだった。

私は剣が得意で、実際、強かったんだ。


「何かあれば、俺がみんなを守ってやる!」


私はみんなに言った、調子づいていた。

儀式のなか、気がつくと。

周囲は、敵しかいなかった。

あろう事か……私は一目散に人げ出したんだ。


すぐに敵に捕まり、殴られ、引きずり戻される。

ユーマン役の男は死んでいた。

沢山の傷口があって、きっと2人を守ろうとしたのだろう。

フリスト役の女性は、オモチャにされて殺されていた。

エイル役の女性は、体中、痣だらけで犯されていた。


私は、憤るのでもなく、戦うのでもなく……

自分だけは、助けてほしいと懇願したのだ。

私を見るエイル役の女性の目が、彼女の目が、今も頭から離れない。

そして彼女も殺された。


私も剣で切られたが生き残ってしまった。

あの時、死ぬべきだったんだ。



10年毎の儀式に、偵察任務で参加している。

誰も、やりたがらないから。

今日、私は死ぬのだろうか?

それとも、明日も生き恥をさらすのか?



突如、腹に痛みが走る。

触るとベタベタしていて、矢が刺さっていた。


死ぬのか……

早く、松明を消さなくては……


おかしいな。

地面がすぐ横にある。

辺りは真っ暗だ。


よかった。

松明が消えている。


私のハンカチが遠くに見えた。

祖父から貰った、私の宝物。

竜国の国旗が刺繍されたハンカチ。


夜でもキラキラと、淡く光るんだ。

今も、煌々と光っている。


沢山の足音が聞こえた。

何度も踏みつけられる。



「あっあっ」


遠すぎる、手を伸ばすが届かない。

敵の数が多すぎる。

我々、50人では、すぐに殺されてしまうだろう。


目から流れた水滴が、地面にシミを作った。

早く逃げてくれ。

ひとりでもいい、ひとりでも。



ドッゴン。

ガシャン、グシュ。


黒い塊が信じられない速度で動いている。

悲鳴や怒号が聞こえた。

黒い塊は一体、いくつあるんだ?

しばらくすると、音が聞こえなくなる。


ここは地獄なのか?、よかった。

そうか、私は死んだのか……

素直に罰を受けよう、私は目を閉じる。





「ナオキ様。

 転送先を確保しました」


「ナオキちゃん、いいよう」


「ナオキ様、どうぞ、こちらに」





「さ、始めるか」


「ナオキ、光の柱は必要だよな?」


「ん?、まぁな。

 夜だから目立ちたい。


 ユミル、フリスト、エイル。

 敵を近づけさせるな。

 まず、敵を把握する。


 七色迷探偵。

 人間族4本指を検索、時間は5分。

 範囲は円柱、高さ3m、半径1000m。

 2時間、記録追尾しろ」


「検索完了だ。

 敵の数は、約6500だ。

 記録追尾している」


「戦竜260体、飛竜60体を転移させる」


「ナオキちゃん。

 優真が、いないんだけど……」


「挑発スキルが使えないぞ。

 なにヤッてんだ。

 連れてきてくれ、加護を与える。


 

 ユミル、フリスト、エイル。

 転移した戦竜、飛竜に加護を与える!


 超回復ラブリービューティー。

 止血、呼吸を確保し、徐々に体力を回復せよ。


 超絶操作マッスルマリオネット。

 筋力、速度をサポート強化。


 七色迷探偵。

 記録追尾している敵情報を提供せよ。


 戦場の魂マリリン。

 武器を強化、魔法も破壊し、姿を隠蔽しろ。


 2神合体ファンキーソウル。

 被膜の鎧を2重に形成、敵の攻撃、魔法から守れ」







「優真、逃げるな」


「直樹さん!

 僕だけ、加護がありませんよ!!」


「優真……

 お前、何を言ってるんだ?

 挑発スキルを使ったら、隠れ家にもどれ。


 メタモルフォーゼ!

 ワトソン君、光の柱を」



「人使いが荒い。

 

 ドラゴンの王国と異世界のクエストを持つ、天野直樹の従者、優真が。

 天野直樹へと魔術の発現を……」







痛い、痛い、腹が痛い。

痛みで目が覚めた。

怒号や叫び声が聞こえる。


どうして……

私は、まだ生きているか?

生き恥をさらしているのか?

嫌だ、嫌だ、早く殺してくれ。




何だ?


何かいる。


コレは……竜王?


子供の頃、父と祖父に聞いたことがある。

竜王とは何なのか?、どのような姿なのか?

答えは、ただ一言。


竜族であれば分かる。



何処だ、何処だ!

確かにいる。

目だけを必死に動かすと、確かに居た。

ゆっくりと歩いている。



その体には強靭な筋肉、肌は黒くテカテカとしていた。

夜だというのに、全身の筋肉は淡く青白く光を発しいている。


腰には、真っ赤なブーメランパンツが、赤く光り。

ピンク色のマントを、なびかせながら、手に持った人形と口論している……

そばには小さな子供と、ガラの悪そうな男が二人。



その存在は、異質……



竜王の体が眩しく輝き、光の柱が突如現れる。

頭の中に声が響いた。


”俺はココにいる、かかってこい賢人ども。

 俺は帰ってきた、よくも俺たちを!

 殺してやる!、ひとり残らずな。

 貴様ら種族、すべて、皆殺しだ!”



竜王のいる場所に、矢や魔法が浴びせかけられる。

が届くことは無い。

届く前に、空中で弾かれていた。


奇声を上げながら近くの敵兵達が一斉に、竜王へと襲いかかる。

だが、届かない。

黒い塊が、竜王に近づく敵を殴り殺す。

まるで卵を握りつぶすかのように……圧倒的だ。



その力は、最強。



気分が高揚する。

死にたくない、死にたくない。

世界の続きを見せてくれ、我々竜族は助かるのだ。



ゴボッ。


口から血を吐き出す。

思い出す、目だ、あのときの目を。

私は何を考えている、生きて良いハズがない……



真っ暗だ、夜だからな。

あー、そうか。

もう、目が見えない。


死んでいく、自分が死ぬのがわかる。

ゆっくり、ゆっくりと。



頭の中に何かが、流れ込む。

一瞬でそれを理解した。

悩む必要など無い、竜王への忠誠を誓う。


「隷属する」



痛みが消え去り、目が見えるようになった。

体が浮いているのか?

手を見ると、ボロボの皮膚が生気を取り戻していく。



あっ


気がつくと、そこは天国だった。

沢山の人が、空の下で働いている。

何気ない会話、笑い声、心地よい風。



「よう、兄さん。

 新たな隷属者ってことで、いいのかな?

 隷属の書を見せてくれるか?」


「あぁ、これかのことか?」


「みんな集まれ!

 すぐに鎧と武器、食事も用意しろ!

 次が来るぞ!」



すぐに、食事が用意される。

うまい、うまい。

パンの香りも良い、肉もでかい。


「なんだ?

 泣いているのか?

 早く食べてくれ。

 食事が終わり次第、すぐに鎧を付けて欲しい」


「鎧?

 私は70歳をこえている。

 そんな重量、着れるわけがない」


「兄さん、何をいっている。

 自分の体をみろ。

 筋肉ムキムキじゃないか」


「は?」


すぐに体を、触って確かめる。

たしかに。

契約条件のなかに、全盛期に若返るってあったな……



「いいか?

 すぐに鎧を付けるぞ!

 領主様がお待ちだ」


「竜王様に会えるのか?

 すぐに、やってくれ!」



竜王様!、竜王様!

この老いぼれに、もう一度、機会をくださるのか?


みんな、すまない。

同じ轍は、二度と踏まない。

許してくれなんて、都合のいいことも言わない。

恨んでくれ、私を憎んでくれ。


やるぞ、戦うぞ!


次は、間違えない。

絶対だ、絶対にだ!




光に包まれると景色が変わる。

目の前には鎧を着た青年が立っていた。


先ほどとは……見た目がずいぶん違うが。

間違いない、竜王様だ!

すぐに膝を折る。



「竜王様、初めてお目にかかります。

 ペーツと申します。

 なんなりと、ご命令ください」


「あぁ。

 この辺りと、お前たちのことを教えてくれ。

 あと、俺は竜王じゃない」


「はい、分かりました……

 え!?

 嘘!!」



数百年前。

そこには、ひとりの異世界人がいた。

感想、レビュー、ブクマ、評価、お待ちしております。

おかしい部分や修正点、加筆部分なんかを知りたいです。

よろしくお願いします。

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都市名があるのですが地図がないと、把握が難しいので。 地図
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