二話
転生してから一年が経った
体は成長し七歳となった
私の第二の人生は処刑とは無縁の平穏な人生だった
のだが一つ問題があった…
それは異常なほどの男嫌いになってしまったこと王様候補に処刑された関係なのか何か…
いや理由は決まっている
単純に男が嫌いなのだ
下心さらけ出して、媚び売ってる女にコロッと騙されて、何も考えてない馬鹿で浅はか、そして自分の都合通りに行かないと怒る…
はっきり言って男はクソだ
私は王様候補のために隣に入れるように努力した、髪を頑張って整えて王様候補の好みの髪型にしたり、何が好きか何が嫌いか把握したりしていた…
無駄な時間だった…あのクソ王子候補を次見つけたら拷問して殺したいぐらい浅はかで愚かな王候補…
そのおかげで男を見たら反射的に殴ってしまう体だ
男を見ただけで嫌悪感が湧き出る
今現在嫌悪感が出ないのは父親と執事のトリスタンぐらいだ
…いや問題はもう一つあった
それは反射的に殴ってしまった執事、調理人、商人…その人たちが問題なのだ
そうもれなく変態になってきてるのだ
私も最初は違うと思ったが痛がっていただけだった
しかし何回もするうちに頬を赤く染め悦に浸っている顔をするのだ
それが私に嫌悪感を増させた
そして殴っている私も優越感というような気持ち良さがあった…それが何故か気に食わなかった
しかしやめようとしても止められない…がまぁいい…わけじゃない…!
何故が無性に禁断症状が出てしまう…無性に殴りたくなるというか…
ということで男を殴っても怒られない格闘技を習うことにしようと思う
父親は親バカなのでお願いすれば結局はやらしてくれだろう危ないとか言うだろうが
…あれ?私前世の時よりすごく性格悪くなってない?…まぁいいか
翌日父に話してみるとすんなりと了承してくれた…何かおかしいと感じた私は聞いてみた
「…知ってるかい、パパはね…昔格闘技をやっていてね!結構強いって噂だっただぞ?」
結構強いって噂ねぇ…確か執事のトリスタンもお父様のこと強かったって聞いた時もあるし…まぁいいか
稽古は午後から始まった
ご飯を食べて食休憩をしてからの練習だ
そしてきつい練習をするのかと思ったら…
型、型、型…
はっきり言ってつまらない想像していたのとは全然違う…
地味でつまらない
「いいか!コマリ型はすごく大事なんだぞ?ほらこの格好かっこいいだろう?」
そんなことを言われたってつまらないものはつまらないしかしやめたら負けだと言うようなものを感じてやめられなかった
気づけば日が暮れていた
体はヘトヘト全身は動けないほど疲弊していた、あまり動いてないように思えても中々きついものだった
お父様をみてみると私以上に疲弊していた顔も何歳か老け込んで見える
「コマリ…疲れたろう。パパも疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ……コマリ……」
静かに目を閉じ…させない
「はぁ!」
私はお父様の腹を殴る…何故殴ったかって?
単純にむかついたからですけど?
「ぐぁ!…コッ、コマリィ…パパ疲れてるのそれはないんじゃないかな?」
「どうでもいいですよ、お父様が最初にふざけたんでしょう?」
「うん、そうだね……コマリもお母さんに似てきたなぁ…」
「お母様に?」
…私はお母様の姿がうろ覚えだ
思い出そうとするとモヤがかかる感じだ
何回かあった時もあったがその時の記憶も全然覚えてない…
姉のエレンも全然覚えてないようだった…しかもエレンに関してはあったことすら忘れていた
「うん…お母さんはね、正直で口が悪くてね…」
「へぇ」
その日はぐっすり眠れた
程よい疲れと共に眠気がいい塩梅だった
翌朝は筋肉痛にもなっておらずとても気持ちいい朝を迎えられた
私とお父様は今日も格闘技の練習をした…が途中で問題が起こった
「つまらない!コマリは私と遊ぶの!」
そうエレンだ…エレンは8歳となった、容姿は相変わらず優れていて、とてもいい子に育っているのだが…
「ねぇ!コマリ!遊ぼうよ!ねぇコマリ…グスッ!ねぇコマリ~~!」
かまってちゃんの駄々っ子になっていた
今も目をうるうるさせて泣きそうだ
花を愛でて動物を愛す
いい子なのだが…
私と会った頃はもっとしっかりしていたのだが…
「おぉ、どうしたらいいんだぁぁ!どちらの意見尊重したほうがいいんだ!?私の子供に優越なんてつけることが出来るわけがないぁぁぁぁぁ!しかしエレンがかわいそうだし…ぁぁぁぁぁ」
隣で発狂している父親のことは無視しよう
…仕方ない
「お父様私はエレン姉様と遊んできますので」
「すまない、すまないコマリ…今度埋め合わせはしてあげるから…」
「早く行こ!!」
私の手を引っ張るエレン姉さん…私はエレン姉様のことを姉さんと言うことにした
何故かって?この子姉って言うよりは妹だもん、様つけると違和感かあるからだ
「わかりましたよ姉さん」
「あのね、あのね今日私の婚約者が来てるの」
「婚約者?」
そんな話は聞いてないお父様からも聞いてない
「あのねコマリには内緒にしなきゃダメって言われたけどいいよね?」
…内緒ね…それは言っちゃダメでしょ、まぁなんだかんだでお父様も許してくれるからこんな甘く育っちゃったのだろう
「エレン姉さん?」
「ん?なぁに?」
ニコニコして満面の笑み可愛い…部屋に閉じ込めて飼いたいぐらいだ、もちろんそんなことはしないが
「姉さん、約束は守らないとダメですよ?」
「破ってないよ!内緒って言われただけで約束はしてないもん!」
…まぁ教育はお父様に任せよう
「こっちにいるの!」
手を引っ張って走り出す
エレンの婚約者か…
「きゃっ!」
エレンがドンっと音を立てて曲がり角で尻餅をついた、そしてそこに尻餅ついていたのは小柄な男の子だった
「すみません」
そう顔をあげたのは美形の男の子
瞳は青く澄んでいる女装をさせれば間違いなく美少女になるだろう
「いえこちらこそすみませんでした」
私素直に謝る…不思議だ、子供は殴りたいと思わないのだろう
「ほらエレン姉様もあやまって…」
「ひぐっ!うぇぇぇん!」
泣き出してしまった
「あぁもう痛いの痛いの飛んで行けーどこも痛くないでしょう?」
「ぇぇぇぇん!」
泣き止む様子がない
どうしたものか…
脇をくすぐってみる
「ぇぇん!?あははは!やめてそれくすぐったい!」
泣き止んでくれたみたいだ
「お姉さんみたいですね」
「うん、そーだよ!コマリはねお姉さんみたいなの!」
「…もしかして貴方がエレン姉様の婚約者ですか?」
見慣れない顔服装もしっかりしているおそらく婚約者であろうことが予測できる
「あぁ申し遅れました私はこの国の第一王子でありエレン様の婚約者であるバルドッヒ・ヴィクトワールと申します、気軽にヴィクトと呼んでください」
王子…?