飛ぶために
初投稿です。温かい目で見て貰えると嬉しいです。
私の夢は、飛ぶこと。飛行機やヘリコプター、気球に乗って飛ぶことじゃない。自分が、自分の力で飛ぶこと。大学生になった今でも本当にできると信じている。
「はぁ、どうすればいいのかなぁ。」
そう、呟く彼女の名前は鈴木佳織。ふわふわに巻いた腰まである長い黒髪と真っ白な肌。身長は150cmで、誰もが守ってあげたいと思うような愛くるしい容姿をしていたが彼女は強かった。さらに、彼女は賢かった。彼女の夢は飛ぶこと。飛ぶための努力はすごかった。
5歳の時に魔法使いを夢見て、木の上から飛び降りた。家族が大騒ぎする中、彼女は思った。訓練が必要なんだと。色々な運動をして、体力をつけ、強くなり、10歳の時、前回より高い木から飛び降りた。怪我はあまりしなかった。彼女は気づいた。ただ強いだけではダメだと。考えて、考えて知らないことが多すぎることに気づいた。それから彼女は、飛ぶことに関係があることは勿論、関係があるかは分からなくても関係性を探しながら色々なことを調べ、試し、時に高いところから飛び降り、今まで過ごしてきた。 そして、まだ飛べないまま、試せることが無くなってきてしまったのだった。この夢を持ち続け諦めない佳織を、友達はちょっと馬鹿にしているが佳織をふわふわな小さな子どもみたいだと思って可愛がっている。
「はぁ、どうすればいいのかなぁ。」
思わず呟いた。私は飛びたい。いつか読んだ絵本の中の魔法使いのように自由にとびたい。そのために体力もつけ、勉強だってした。見た目だって、あの魔法使いのように長く伸ばして、ふわふわに巻いている。ほうきにまたがってみても、呪文を唱えてみても、一向に地面から離れられる気配はない。