第4話〜初めての森、ゴブリンと猫〜
第4話〜初めての森、ゴブリンと猫〜
今日も快適に目が覚めました。
夢でシフォンとお喋りしたよ。
いい夢だったな。
夢でも可愛いシフォンには勝てる気がしないよね。
猫ショップで猫缶を買ってシフォンにあげる
防御力が1上がりました。
猫ショップ様様だと思う。
あと、今日は少し遠出をしようかと思ってるから
鰹節買っておこうかな。
猫ショップを探していると鰹節が見つかる。
鰹節「ただの鰹節。少し元気になる。」消費魔石1
元気になるだけなのね。
まあ、シフォンには元気でいてほしいから
買わない手はないよね。
さて、私も朝食食べなきゃ。
テレサさんのご飯は美味しいから楽しみだ。
食堂に降りると、ナーシャさんがいた。
「ナーシャさんおはようございます。カインさんは、、、」
「おはよう、エナ。カインはまだ寝てるわよ。あの子寝起き悪くて基本起こしたくないのよ。」
うん、何となくわかる気がする。
カインさんはお寝坊さんっぽいもんね。
サテラさんにも挨拶を済ませ、朝食を食べる。
パンとハムとスープ。
これだけの組み合わせなのにとても美味しい。
しかも全部手作りなのに驚いたよ。手作りだから美味しいのかな?
女子力の塊だ。ん?主婦力って言うのかな。
女子力?私は、女子力とは無縁の世界にいたからね。
料理?そんなの必要ないもん。必要無いったらないもん。
ご飯を食べながらナーシャとお話しをしていたらナイフを持っていないのを怒られてしまった。
さらに、お古のナイフを貰ってしまった。
なんでも、討伐したモンスターの討伐証明に体の部位を持って行かなきゃ行けないらしい。
おぉう。グロッキーだね。ゴブリンなら耳とか、私できるかな?
でも、ナーシャさんには感謝しなきゃね。
ありがとうございます。
こんどシフォンをモフモフさせてあげます。
多分それが一番喜んでもらえると思うしね。
剥ぎ取りを聞いて少し憂鬱になったけど、やらなきゃいけないし
頑張らなきゃ。
準備を整えて、ギルドに向かう。
今日受ける依頼はもう決めておいた。
とうとうオンドリスから卒業して
ゴブリンを倒しに行こうと思う。
朝、ナイフを貰っていて正解だったね。
ナーシャさんには本当に感謝だよ。今度お礼をしなきゃね。
ゴブリン討伐は常時依頼と、森の討伐依頼がある。どうせなら森の方に行った方がお得だから
森の討伐依頼にしようかな。
達成料金はなんと銀貨12枚。
破格のお値段だね。
アポールにお金入れないといけないから頑張らなきゃ。
今日はミールさんがいた。
ゴブリン退治依頼を申請する。
そういえばゴブリンの魔石ってどうするのかな?
「ゴブリンの魔石ってどこにあるんですか?」
「はい、ゴブリンでしたら額のおできみたいに膨らんでいるところに魔石がありますよ。」
なるほどね。心臓とかじゃなくな良かったよ。
まだ、気が楽だよね。
お礼を言って街を出る。今日目指すのは歩いて1時間くらい先にある森だ。
ゴブリンや、他の魔物がある程度出没する事から一定数の依頼が出ている。
しかし、出没する魔物は基本ゴブリンかオンドリス、または獣系の弱い魔物のみらしい。
私みたいな初級冒険者にとってはありがたい依頼だよね。
しばらく歩くと森についた。
なんか、富士の樹海みたいな森で不気味だな。
お化けとか、出そうだよね。
帰りたくなってきた。
そしたら、シフォンが帽子から戻って私を見上げて
「にゃん!」と強く鳴く。
どうやら私を励ましてくれてるみたい。
どうしよう。
任せて。みたいな顔が可愛すぎるよ。
もう、可愛すぎて怖さとか無くなっちゃったね。
まったく罪な女の子だよ、シフォンは。
森に入ってしばらくすると何かこちらに走ってくる。
ゴブリンかな?
初めて、オンドリス以外と戦うから気を締めて行かなきゃね。
シフォンと戦う体制になって構えてたら
フードを被った子供がゴブリンに追いかけられていた。
あれはまずい。子供を助けなきゃ。
こっちに来て、と声をかけるとフードの子供は
私の後ろに隠れた。
ゴブリンはこちらを見ながら、手に持っている
棍棒を、振り上げて威嚇をしてくる。
シフォンも、負けじと威嚇をする。
あぁ、威嚇するシフォンも可愛いなぁ。
だめだ。そんなこと考えてる場合じゃない。
子供を守りながら後ろに少し下がる。
そしたら、ゴブリンがシフォンに襲いかかって来た。
棍棒を叩きつけようとするけど、シフォンは
さらりとかわす。
その瞬間に猫ひっかき、猫パンチ、猫パンチのトリプルコンボ。
怯んだゴブリンは棍棒を振り回してるけど
シフォンがジャンプして上から猫ひっかき。
華麗に着地してからの猫パンチ。
初めてのゴブリンとの戦いは、シフォンの圧勝で終わった。
誇らしげに「にゃーん」と勝どきをあげるシフォン。ドドーンって効果音がつきそう。
うん、シフォンは強かったね。ゴブリンですら
チョチョイのチョイだったよ。
世界広しといえど、こんなにツヨカワな猫はシフォンだけだと思うな。
心の中でシフォンに惚気ていると
フードの子供がへたり込んだ。
忘れてたわけじゃないよ。目の前の可愛さに翻弄されてただけ。
気を取り直して子供に話しかける。
「大丈夫?お父さんかお母さんは近くにいない?なんで、こんなところにいたの?」
もしかすると両親をゴブリンに襲われて逃げて来たのかも。と嫌な考えがよぎってしまう。
だけど、フードの子は
「ありがとうにゃ。本当に助かったにゃ。」
と、フードをとった。
ん??ねこ?ねこだよね?猫が喋ってる??
白くて毛の短い猫が立ってそこにいた。
「ウチは、ケット・シーのユユにゃ。危ないところを助けてくれてありがとうだにゃ」
なんと、語尾にゃのしゃべる猫だ。
夢にゃのかな?夢じゃにゃいよね。
思わず猫語になってしまった。
あ、そういえば朝シフォンとお喋りする夢見たな。
正夢になっちゃったよ。
とりあえずなんでこんな所にいるのか聞かなきゃね。
「私は水戸恵那、こっちは私の友達のシフォン。よろしくね。ユユちゃんはなんでこんな所にいたの?良かったら教えてくれないかな?」
「お母さんが、病気だからだにゃ」
ユユはうつむきながら答えた。
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