第3話〜氷のお人形さん〜
第3話〜氷の中のお人形さん〜
とりあえず、ユユにはかるくデコピンをしておきました。痛くないようにね。反省の意味合いを込めて形だけだよ。
これが罠とかだったら今頃死んじゃってるかもしれないからね。
「うぅ、ごめんなさいにゃぁ。」
うん、反省しているみたいだし可愛いから
許そう。
甘いって?そんなの可愛さの前には当たり前のことよ?
で、目の前にある階段なんだけど
降りるか降りないかって言ったら
もちろん降りるよね。
だって、肉球が鍵だよ?絶対猫系じゃん。
罠なさそうだし何でもいい。猫だもの。
てか、ここまで回りくどいことしてるのに
罠とかだとは思えないんだよね。
とりあえず降りてみよう。
階段を降り始めたは良いんだけど
猫の夜目でも見えないくらい真っ暗。
仕方ないからライトネコを頼んでゆっくり進みます。
しばらくしたら階段が終わって
目の前に大きな扉があった。
これは、開けれるかな?大きすぎるよね。
だけどよく考えたら身体強化をフルに使ったら
開けれる気がするのよね。
と、思いつきでシフォン帽子とユユローブを纏いながら押したら開いちゃいました。
ん?女の子のすることじゃないって?
そこは魔法の世界ですから。私の膂力とかじゃないですから。か弱いもん。多分。
開いた先に罠とかあるかな?と思ったけど
特に何も起こらないのでゆっくりと中に入る。
カチっ
ん?今嫌な音が聞こえた気がするなぁ。
カチって。大きな玉とか転がってこないよね?
すごく警戒してたんだけど、どうやら罠じゃなかったみたい。
その証拠にゆっくりと灯りがつき始めた。
よかった、灯りのスイッチを踏んだのね。
死ぬかと思ったよ。
徐々に明るくなっていく部屋の中を見て
私もシフォンもユユも言葉が出ませんでした。
部屋の中にはおびただしい数の氷の棺が並んでるんだもん。
アメリカンみたいな棺とか、日本みたいな棺とかいろんな形の棺がある。
氷の棺は透明で中が見えるんだけど
干からびた人間?が入ってる。
はい、もうね
漏らすかと思いましたよ。「きゃ」とか「ひゃっ」とかそんな声が出れば女の子らしいと思うですけどね。
出た声は「うぼっ」でしたよ。
えぇ、それ以上何も言わないで。えぇいみなまで言うな!
とか、そんな自問自答で現実逃避してるけど、ざっと数えただけで100は超えてる数があるもん。
びっくりするに決まってるよね。
しかも丁寧なことに1つ1つが干からびてると言うか
ミイラになっていると言うか、、、
グロいです。
でも、ここがもし墓所ならば私は無断で立ち入っちゃった訳で、責任があると思うのよね。
テンパってた事もあってか責任感なのか
なぜか奥まで進もうと思った。
ユユとシフォンは最初こそびっくりはしてた見たいだけど、それほど興味がなくなったのか
大人しく帽子とローブのまんまグースカ寝始めましたよ。
薄情者ー。
そんなことを思いながら
ゆっくりと、奥まで歩いていくんだけど
最初の出入り口から奥に行くにつれ
ミイラの干からび度合いが違うんだよね。
なんか、こう、生々しくなっていく?
瑞々しくなっていく?っていうのかな?
とりあえずなんだけど、グロさが増していってます。
そして気がついたんだけど
人間じゃなくてネコ獣人さんだと思うんだよね。
真っ白い髪の毛の。
入り口から100メートルは歩いてきたと思うだけど
ここら辺まで来ると亡くなってるのは確かなんだけどそんなにミイラって感じはしなくて
生前の様子がわかる感じがする。
普通は何でこんなことになってるんだろうとか
なんで奥に行くにつれミイラの鮮度?保存度?が変わるんだろうとか色々考えるんだろうけど
この時の私は奥に行くことしか考えてなくて
導かれるように歩いていた。
そして、最奥まで歩いていったら
棺に囲まれるように天井まで届くような大きさの氷の柱が立っていた。
その中にすごく綺麗なミイラ、ううん。
すごく綺麗な女の子が入ってる。
顔立ちはすごく整ってて、なんだろう
幼いながらも大人を感じさせるような。
お人形さんみたいに整ってる。
それに、真っ白な髪の毛に、真っ白な肌、年齢は多分15歳行くかな?ってくらい。
周りのミイラと同じく真っ白な髪の毛の上には
綺麗なネコミミが付いている。
直感した。この子は生きてるって。
ここから出してあげないといけないよね。
封印されてるとかなら、邪悪な感じがするだろうし、なんでか知らないけどこの子を救わなきゃダメな気がしてならない。
でも、どうやって出せばいいんだろう?
力にかまけて殴り割るとかも出来ないことはないと思うんだけどなぁ。
ほら、身体強化があるからね。
私の力じゃぁないよ?
ひ弱な女の子なんですから。
でもそれじゃあ、この子が危ない気がする。
氷の柱を調べるために、手を触れてみる。
何かわからないけど試されてる?
そんな気がしてならない。アホなことを言ってる自覚はあるよ?でも、魔力を注げって言われてる気がする。
よし、流してみよう。
流してダメなら逃げましょう。
安全第一、危ないことは極力しないです。
そんな事を思いながら、なんとなく安全だって
分かるのよね。
安全というか、安心というか。
氷の柱にもう一度手を触れてゆっくりと
魔力を流してみる。
流し始めてしばらくすると、手を触れてる氷の柱を中心に周りの棺が光り始めた。と、思ったら中のミイラたちがどんどん干からびていく。
え?これは流石にやばいんじゃない?
ミイラ干からびちゃってますけど、、、
私、ワニの名前の鉤爪つけてインペルなんとかに入れられた海賊の技とか手に入れちゃった?
水分とっちゃった?
な訳あるかい!と、自分でツッコミを入れながらも
怖くなって氷の柱から手を離した。
その瞬間、氷の柱がパキパキ言ったと思ったら
一瞬で割れて、中の女の子が私の方に落ちてくる。
身体強化状態だから受け止めることが出来ましたよ。
お姫様抱っこみたいにね。
私でもされたことないお姫様抱っこをまさかする事になるとは、、、
抱えた真っ白な女の子をよく見てみると
やっぱり、ちゃんと生きているみたい。
息をしているからね。
うん、すごく綺麗な子。綺麗なネコミミ。
まつげは長いし、真っ白な肌なのに
頬は朱色になってて、唇も綺麗な朱色。
お人形さんみたいだなぁ。
「う、うぅん。」
お、目を覚ました。
すごく綺麗な目だなぁ。真っ赤とか想像してたけど逆だったよ。
真っ青というか、沖縄の海みたいな色をしてる。
まだ、状況把握ができてないみたいで、私のことをすごく見てる。
流石に起こしたのは私だし
色々聞かないといけない事もたくさんあるよね。
何で氷の中にいたのかとか
何で生きているのかとか。
「大丈夫?言葉はわかる?」
すごく目が合ってるし怖がられるのも嫌だから優しい感じで話しかける。
「私は目覚めたのですね。」
うん、私の言葉はガン無視だけど
言葉は通じることがわかったからいいか。
ゆっくりと、地面におろそう。
「言葉は大丈夫みたいね。私は水戸恵那。よろしくね。」
何となくだけど、この子は放っておけない感じがするんだよね。
「貴女が、、、私を起こしてくれたのですね。私の名はカユラ。雪猫族族長の娘です。」
「うん、多分私が起こしたことになると思う。早速なんだけどなんで氷の柱に入ってたのかとか、周りのミイラはなにかを教えてくれないかな?」
「分かりました、、、まず私がここに入る事になった理由からお話しします。」
そう言ってゆっくりとカユラは言葉を紡いでいった。まるで、噛み締めるようにゆっくりと。
こんな時ですらユユとシフォンは寝こけているんだから緊張感半減だけどね。
お読みくださりありがとうございます




