第1話〜白猫とお友達に〜
第1話〜白猫とお友達に〜
目を覚ますと、道端の木の下だった。
隣には白猫が気持ちよさそうに寝ていた。
あぁ、夢じゃなかったのね。
分かっていたけど。
ん?服が違う。魔法使いみたいな服装になってる。まあ、困ることはないからいいや。
さて、もらった能力を確認しなきゃ。
私の異世界猫ライフを助けてくれる大切な能力だしね。
「ステータスオープン」
すると目の前にステータスが表示される。
神様に教わったことの1つだ。
水戸恵那 人間 16歳 Lv1
体力5/5
魔力15/15
防御力3
攻撃力2
素早さ3
幸運10
猫力50
スキル
異世界言語Lv-
異世界の言葉を理解、話す事が出来る。
鑑定Lv.1
見たものを鑑定する事が出来る。
鑑定内容はスキルレベルに依存する。
猫の友達 Lv.1
猫を使役する事が出来る。
ある程度の意思疎通が可能。
また、一部能力を共有できる。
スキルレベルが上がるごとに使役できる猫が増える。
猫変化 Lv-
使役している猫をアクセサリーに変化させることができる。また、変化した際そのアクセサリーは能力を持つ。
能力の強さは猫のレベルに依存する。
猫ショップLv.1
猫グッズを買う事が出来る。
買えるものはスキルレベルに依存する。
支払いは魔石。魔石の価値により買えるものが異なる。
なるほど、こんな風に出てくるのね。
猫変化?猫ショップ?なにそれ。
こんなの頼んでないんだけどオマケかな?
そう言えば着いたら白猫と契約しろって言われてた。
「猫さん、私と契約してくれる?」
「にゃー」
ピロンと、脳内で音がなり
ログが出てきた。
契約が成立しました。名前を決めてください。
「なら、シフォンで。」
ピロン シフォンで登録します。
すると、ステータスが表示された。
シフォン 異世界の猫 Lv.1
体力6/6
魔力30/30
防御力10
攻撃力12
素早さ20
スキル
ひっかき Lv.1
爪を使用し相手を引っ掻く。
スキルレベルにより攻撃力に補正がかかる。
猫パンチLv.1
猫パンチを繰り出す。
スキルレベルにより攻撃力に補正がかかる。
猫ひねりLv.1
ある程度の高さから着地ができる。
高さはスキルレベルに依存する。
猫の毛づくろいLv.1
毛づくろいをする事で体力魔力が少し回復する。
回復力はスキルレベルに依存する。
猫の夜目Lv.1
夜目が効く。
スキルレベルにより見えやすさが変化する。
うん、なるほど。
猫の技術ってこの世界だとスキルなのね。
「これから、よろしくねシフォン。」
「にゃー」
うん、スキルのお陰なのかな。
なんとなくよろしくって言っているような気がする。
可愛すぎます。
初めてのペット。それは私の大好きな猫だった。
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シフォンが、可愛すぎてつい時間を忘れて
遊んでしまった。
ここはどこだろう。神様曰く魔物の出る世界らしいから私は危ないことをしていたかもしれない。
人がいるところを探さないとね。
ご飯とか欲しいし。
とりあえず、この道に沿って歩けば着くかな?
迷った時は右って言うし、右に行こう。
道を右に進む。
シフォンを長いあいだ歩かせたくないなぁ。
そうか、スキル猫変化を使おう。
しばらく悩んで帽子に決めた。
シフォンに帽子に変われる?と言ったら
にゃーと一声出した後、帽子になった。
魔法使いのような真っ白な帽子だ。
帽子になったシフォンの能力は身体強化らしい。
これでシフォンを歩かせなくて済むかな。
シフォンの帽子のお陰で体が軽い。
身体強化すごいね。
疲れないもん。
1時間ほど歩いていると、目の前に何か影が見えてきた。
うん?ニワトリ?
そうだ、鑑定してみよう。
オンドリス 鳥魔物 Lv.2
情報少なっ。
でも、スキルレベルが低いからかな?
ニワトリにしか見えないけど魔物なのか。
攻撃してこないなら、スルーしよう。
でも、そうはいかなかったらしい。
うん、これロックオンされてるなぁ。
めっちゃ目があってるもん。
倒せるかな私。武器もないし無理だよなぁ。
するとシフォンが帽子から綺麗な白猫に戻った。
え?シフォン戦う気?すごいやる気満々な感じがするんだけど。
あー、向かっていった。
オンドリスがシフォンに向かって鋭い嘴で突こうと襲いかかる。
シフォンはサラリと避け猫パンチをくらわせた。
ひっかき、ひっかき、猫パンチ。
ひらりとかわして猫パンチ。
何だろう、魔物と戦っているはずのに緊張感がない。
しばらくしてオンドリスは動かなくなった。
「うにゃーん」
シフォンは勝ち誇った顔をして、満足そうだ。
いや、すごい心配だったんだよ?
勝ち誇られてもなぁ。
まあ、可愛いからいいか。
「ありがとうね、シフォン」
お礼は大切だと私は思う。
それで、このオンドリスどうしよう?
解体とかできないしなぁ。
とりあえず持っていくか。
シフォンに帽子に戻るよう頼んで
また、歩き出す。
しばらくすると街が見えてきた。
案外近いところにいたらしい。
魔物もニワトリだけだったし
案外この世界は安全なのかな?
街に猫は、いるかなぁと考えてたら城壁に着いた。
街に入るところで門番さんに
「身分証を提示しろ。」
と言われた。
これは、テンプレきたなぁ。
ラノベとかだと確か村人とか言えば入れるんだよね?
「私は辺境の村から来たので身分証を持ち合わせてないです。」
「そうか、ならば犯罪歴などを調べさせてもらう。この魔法陣の上に立ってくれ。」
うん、テンプレってすごいね。
魔法陣の中にたつと光が体を包んだ。
こんなんで、犯罪歴が分かるのか。
日本にあったら便利だなぁ。
「よし、問題ないな。仮通行証を発行するからどこかのギルドで身分証を作れ。仮身分証は発行後ギルドに渡せばいい。仮身分証は銅貨5枚だ。」
あー、そう言えばお金持ってない。
どうしようかな。ニワトリじゃだめかな?
「お金、持ってなくて。この魔物じゃだめですか?」
「オンドリスか、銀貨1枚と銅貨5枚ってところだな。では、ここで買い取りさせてもらう。」
よかった。どうにか入れそうだ。
オンドリスを交換して余りの銀貨1枚を受け取る。
そうだ、ついでに場所を聞いておかなきゃ。
「冒険者ギルドはどこにありますか?」
「冒険者ギルドならこの道をまっすぐいった突き当たりだ。ヴァルタニア王国、アリンドーマへようこそ。」
ここは、ヴァルタニア王国のアインドーマの街というらしい。
お礼を言いつつ街に入った。
冒険者になることは街に来る時に決めていた。
理由は単純だ。世界中の猫に会いたい!
それなら、冒険者が手っ取り早いと思ったからだ。
しばらくまっすぐ道を歩いていくと確かに突き当たりにそれらしい建物が目に入った。
女ひとりだし絡まれたりしないかな?
絡まれるのもテンプレだよね。
そしたら逃げよう。
ビクビクしながらギルドに入る。
ギルドの中はとても清潔感があった。
あれ、もっと汚くて騒がしいと思ってたのにすごく綺麗だなぁ。
受付らしいところに歩いていくが絡まれることはなかった。
「いらっしゃいませ。ご依頼でしょうか?」
「いや、登録をしたいんですけど。」
仮身分証を出しながら受け答える。
綺麗な人だなぁ。
「分かりました、冒険者登録ですね?私はミールと申します。冒険者登録の案内をさせていただきます。では、こちらの書類に必要事項を記入してださい。登録料は銀貨1枚です。」
おぉう。危ない所持金ピッタリだった。
書類を見る。
まてよ?文字ってかけるのかな?言葉はわかる見たいだけど。
あ、書けた。異世界言語スキル様様だね。
特に書くことは多くなく年齢、種族、名前、職業の欄があった。
そう言えば私の職業って何だろ?
「職業の欄なのですが、、、」
「職業は、剣を使うなら剣士。魔法なら魔法士、盾ならタンクみたいに大雑把で大丈夫ですよ。」
「動物を使役してるんですけど。」
「お珍しいですね。それなら、調教師ですね。調教している魔物も登録をお願いします。」
調教師の隣に猫と書く。
「猫?それは普通の猫でしょうか?」
あ、はい。ですよね。魔物っておっしゃってましたもんね。猫ならこう言う反応になるよね。
シフォンにお願いして白猫に戻ってもらう。
いきなり帽子が、猫に変わったからミールさんはビックリしたようだ。
「そ、それは。シンフォレストキャットでしょうか?」
ん?シンフォレストキャット?なにその長い名前。シフォンだよ?白猫の。少し強いけど。
不思議そうな顔をしていたらしく、
「シンフォレストキャットは、魔の森に住むと言われている魔物です。魔法を使い、姿を変え冒険者を惑わします。個体数も少なく、とても強力な魔物です。」
違う意味でびっくりしてたのか。
しかもなにその猫、しらない。ウチの子は地球産の可愛い白猫だよ。
そういう意味では珍しいかな?
「そうじゃなくて、ただの猫ですよ。」
「隠したい理由が、有るみたいですね。」
なにか勘違いされてしまったようだ。
冒険者への詮索はタブーというやつだろうか?
「ですが、姿を変えれる猫はシンフォレストキャット以外存在しません。なので、シンフォレストキャットで登録させていただきます。」
わーお、シフォンの種族変わっちゃった。
まあ、問題ないかな?シフォンはシフォンだし。
「では、次に冒険者ギルドの制度を説明させていただきます。冒険者にはランクが存在します。一番上からS、A、B、C、D、Eです。最初は必ずEから始めていただきます。ですので恵那さんもEランクです。ランクは依頼をこなすことで上がります。また、自分のランク以外の依頼は受けられません。EランクからCランクまではランクごとの魔物討伐依頼をEランクならば10件Dランクならば15件、Cランクは25件達成でランクが上がります。なおBランクからは試験を受けていただきます。採集、護衛依頼はBランクの試験を受ける時に貢献基準ポイントとして加点されます。0だと試験を受けれません。なので皆さんランクが低いうちから採集、護衛も受けておられます。恵那さんも受けるのをお勧めしますよ。」
なるほど、とりあえずは理解できたかな。
ランクを上げる必要性はあまり感じないけど
私とシフォンのレベルも上げたいし魔物を倒す時にとりあえず依頼を受けておけばいいかな。
今無一文だし。
「こちらが、冒険者身分証です。無くされますと再発行に銀貨2枚をいただきますので気をつけて下さいね。」
二倍もとるのか。無くさないように気をつけよう。
「Eランクの依頼を早速受けたいのですが、何かありませんか?」
今夜泊まる宿すらない。
依頼を受けても泊まれないかもしれないがないよりはマシなので受けておこうと思う。
「それならばオンドリス討伐、ゴブリン討伐は常時依頼です。討伐数に応じて金額が変わります。ですので討伐証明部位をお持ち下さい。オンドリスならばそのままお持ち下さい。ゴブリンは耳をお持ち下さい。また、3体ごとに通常依頼扱いになります。」
うぇ、ゴブリンは耳なのか。てかゴブリンいるのか。
耳を切り取るのは嫌だからオンドリスにしよう。
ランクのことを意識して三体は討伐したいな。
ミールさんにお礼を言って、ギルドを出る。
宿の相場を聞くのを忘れたけどオンドリスを持ってきたときに聞いてみよう。
先ほどの門番に挨拶をして街を出た。
オンドリスは草原にいることが多いらしい。
しばらく歩いていると一匹発見した。
あ、そう言えば私戦えないんだよね。
シフォンにお願いするしかないよね。
「シフォン、お願いできる?」
シフォンを元の姿に戻ってもらった。
やっぱりやる気満々なのが伝わってくる。
こんなに可愛いのに好戦的なんだよね。
シフォンがオンドリスに猫パンチ、ひっかき
猫パンチ猫パンチを当てたところでオンドリスは動かなくなった。
ピロン♩恵那のレベルが上がりました。
うおっ。ビックリした。脳内に直接声が響くとは思わなかったよ。
にゃにゃ〜ん♩シフォンのレベルが上がりました。
いや、シフォンはにゃにゃ〜んなのね。
猫だからかな。ツッコミどころがありすぎる。
可愛いけどね。
レベルが上がったみたいだから
私とシフォンのステータスを、確認しないとね。
「ステータスオープン」
と、ステータスを表示した。
お読みくださりありがとうございます!