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お嬢様は天然です。
わたくしの名前は、紳羅津 執志。假素魔家の一人娘、亜利紗様の専属執事です。亜利紗様は大変見目麗しいのですが、頭の中が少々残念なお方。
「ねぇ、紳羅津。バスタブの中が、からっぽなの。」
からっぽなのは、貴女の頭の中ですよお嬢様。
* * * * *
亜利紗お嬢様は美しい。けれど常識という概念がございません。
「お嬢様。お湯をはらないとお風呂には入れませんよ?」
「そうだったの。では、早くちょうだい。」
満面の笑みで手を差し出される意味はなんでしょう?
わたくしは何を差し出せばよいのでしょうか。