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毒舌執事の戯言
假素魔家。
知る人ぞ知る有名ブランドのメインデザインを何世代も務めてきたせいか、彼らは独特の世界観や価値観を持っていた。それは現在、その血筋の先頭を走る両親から寛大な愛情を受けた愛娘も例外ではない。
これはその娘専属に雇われた毒舌執事の物語。
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「お嬢様は美しい」それは周知の事実ですので、愛されるのは至極当然のこと。
わたくしまで甘やかしては、お嬢様のためになりませんでしょう?
これは愛情ですよ。
世間知らずなお嬢様に、いかにしてこの世の規律や真実を教えて差し上げるかが目下の楽しみであります。