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最終話
わたくしも男ですので、本能が抗えない時もあるというもの。
「楽しみにしています。」
にこやかにそう返答したわたくしに、イタズラな笑みを浮かべた権化は仕事へと戻っていきました。
「さて、お嬢様。お風呂はまた後程に。」
コレにて一件落着。執事はとても大変です。
《完》
* * * * *
ああ、ひとつ言い忘れておりました。
皆様がもうご存知の通り、わたくしの名前は、紳羅津 執志。
バカで可愛いお嬢様をお慕いしている假素魔家の執事でございます。
「お嬢様。」
頭の弱いお嬢様はまだお気づきではないのでしょう。
わたくしはいつも狙っておりますよ。
そして心の隅で、密かに企んでもいます。
振り向いたその瞳にうつるわたくしの笑みに溺れ、どうかその柔らかな唇に永遠の愛を。




