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JKとゆく、異世界の歩き方  作者: プリンシプル
第一章『赤き竜の姫』ギコちゃん
4/9

カエル先生とへっぽこ魔女と小さいお……

なんとか更新できました。また少しだけ皆さんの貴重な時間を頂戴します。こんだけ書いても書きたいこと全部書いてるのかは現時点気づいてません。よく後々で思い出して後悔の日々です。

 遠くに水が強く叩きつけられているような、音がする。滝の音かな? うっそうとした草むらは、誰も近寄ることがないのか、来訪者を拒むかのように草深く根を張る。

 自分より高さのある草木を分け進むセンパイ、後に続く私はむき出しの足にキズがつかないようについて行くので必死だ。


「センパイ! ほんとにこの道で合ってる? 行くだけ行って間違いでした~ってのはなしだよ! こんなにも私の足がキズついてるんだからね! 怒るよ!!」


うるさいなー、そんなけしからん服着てるギコが悪いんだろ。


なによ、けしからんって!! このエロハムスターめ!

 ――私は大人。喉まででかかった言葉を飲み込み、大人しくセンパイの後を追う。

センパイは、硬くしなやかなに育った草を体に引っ掛け前を進むので、後ろの私に鞭のように襲いかかってる。後ろは振り返らずズンズン進むセンパイ、あの毛皮は鋼鉄製か!? 乙女の柔肌な私には耐えれないことだ。


 段々と水の音がハッキリ聞こえてきた。

もうすぐだぞ。センパイの進むスピードも緩やかになり、太陽の光が降り注ぐ広い場所へと出た。


 「先生はあの滝の洞窟に住んでいるんだ」

センパイが指し示す先には、轟々と流れる水に反して静かな印象を受ける滝。水が光を反射してキラキラと輝いている。


 センパイが先生と呼ぶその人は、どんな人なんだろう? いや、何の動物か? だね。


 木々に囲まれた空間なせいか、センパイの声が木霊する。


「せんせー、せんせーい!」

少し待ってみるも、センパイの声に応答するものはいない。

辺りは静まり返り、水の音だけが響いている。


「本当にここにいるの?」

いつもならここで剣の修行をしてるはずなんだけどな? 首をひねり悩むセンパイ。


 音はなかった、だけど何かを感じた私は滝の下の方に目をやる。


ん……? 水の中から何か浮いてくる……。


段々大きく見えてくるその物体。これはキノコ? 大きい……キノコ?


「センパイ! 大変、キノコが出てきた!」

あっ、先生だ! センパイは今、あのキノコを先生と呼んだ。

「センパイ、キノコは剣を振らないよ」

私の蔑む態度に、腹を立てながら否定するセンパイ。

よく見ろ! あれはキノコじゃない! 先生の髪型だ!


 キノコではなくキノコヘアーだというその物体に再び目をやると、キノコは徐々に姿を現した。一歩、一歩、ゆっくり歩きながら。


 水の中から現れたのは、茶色いキノコヘアーの緑のアマガエルだった。

昔日本にやって来た大物バンドを思わせるその素敵なヘアスタイルに吹き出しそうになった。


「すまんな、水中で剣を降っていたから声が聞こえなかった。急にどうしたんだセンパイ? 金ならないぞ」

落ち着いた口調のカエルさんは、剣から滴る水は一振りで払うが髪から滴り落ちる水は気にしていないようだ。


「剣を教わる代わりに先生に食事を用意するオイラが、どうやったら先生からお金を貰えると思うんですか?」

うむ、それならいいが。カエルさんは静かな口調の割に冗談が好きなようだ。 


 センパイは言葉じりにため息を交じらせながらも話をきりだそうとした時、遠くから何か叫び声のようなものが聞こえた。


「ゴーーーーーーさーーまーーーーー!!!!」


 彼方の空より飛来するモノ有り。

 大きな帽子のつばを押さえ、バサバサとマントをなびかせこちらに一直線に向かってくるのは、黒いチャイナドレスを着た魔女。ということはわかったが、あのスピードではそこが限界だった。

 チャイナドレスの魔女は、スピードを落とすことなくカエルさんに衝突した! 私は見た、ホウキの柄の先がカエルさんの胸をえぐり突き刺さる瞬間を!!

 魔女はカエルとぶつかり、絡まり合うように地面を転がり水の中に落ちていった。


 簡単に表すと、キーーン! チュドーーン! ゴロゴロ~! ボッチャーン!って感じ。


 何が起こったのか理解に時間を有していると、カエルさんが再び、水の中から歩いて上がってくる。この中はどうやら陸に向かってなだらかな上り坂となっているようだ。


 「リン、着陸が苦手ならもっと速度を落として来なさいといつもいっているだろう? ぶつかったのが私だったから良かったものの、他の者なら大惨事になるぞ」


「はーーーーい♪ ゴー様、ごめんなさーい♪」

たしなめられているのを理解してないのだろうか? 水面から顔を出して元気に笑顔で返事する魔女。


 私達の近くまで歩いてきて、急に倒れるカエルさん。どうやら私が見た光景は見間違いなどではなかったようだ。


「いやぁぁーーゴーさまーー! 死んじゃダメーーー!!」


誰のせいだよ! っと思わずツッコんでしまった私。

 魔女は素早く陸に上がると、カエルさんを抱え自分の膝に頭を乗せた。肩に斜めがけで下げていたバックに手を突っ込み、まさぐると一つ瓶を取り出した。

回復薬かと思ったが、出てきたのは中身が赤い液体だ。私が知らない種類のようだ。


 瓶のフタであるコルクを片手で軽く開けると、瓶ごと飲み込ませるような勢いでカエルさんの口に突っ込み赤い液体を飲ませた! 

 ちょっっ!! そのまま飲ませて大丈夫なの? その液体は!?

センパイの顔色を覗うと、問題アリなのがよくわかったが、もうあの勢いを止めることなどできはしなかった。

 謎の赤い液体をすべて流し込み終わると魔女は、死んじゃイヤーーっと叫びながらカエルさんの体を抱きしめブンブンと左右に振り回した、それはまるでビンの中身をシャッフルしているかのようだ。


 「リン、やめるんだ。苦しい……」

 カエルさんは魔女の背中をタップして放すように促す。魔女がカエルさんを開放すると、体内の謎の赤い液のシャッフルが完了したのか、カエルさんは目と口から、カッ! と光を放ち、口から白煙を上げながら気絶した。


「いやぁぁぁぁーーーーー!!!ゴーーーさまーーー!」

 

 こうなった原因も、トドメを刺したのも、あなたですよ! 魔女さん!

ダイイングメッセージを残したのならば、『チャイナ』か『まじょ』ですよ!



 しばしの時間を経て、気絶したカエルさんが意識を回復させた。あの薬の効能か? 疑わしいがそうゆうことにして、追求しないでおこう。話が先に進まないにも程がある。


「それで、何の話しだったか?」

「コイツのじいさんを探しに旅に出るので、先生にもついて来てもらえないかと思いまして。」


「センパイ、コレがあのJKというやつか?」

そうです! けしからん服装でしょう! 私の足あたりを指さしながら、それはとてもとても嬉しそうにしている。


うむ、けしからんな! カエルさんもとても嬉しそうだ。


二匹して、私をネタに和やかに話していると横から魔女さんが割り込んできた。


「はい! はい! ゴー様が行くならリンも行きまーす!!」

必死さをアピールする為、ピョンピョン飛び跳ねながら手をあげる魔女さん。

 大きな胸を膨らみを惜しげもなく上下に揺らし、チャイナドレスのスリットから見える生足を存分にご披露してくれている。


これは、けしからんって言わないのか?! 私の足との差は一体何なのか? 謎である。


「リン、君は戦えないだろう?」


そんなことないです! 魔法使えますよ、回復とか、サポートとか。あとコレとか!

 そう言うと魔女は、私に近づきいきなり全身を触り始めた。正確には私の服を。

ちょっと! 何するんですか!? 嫌がる私に、いいからいいから~っと言って気にせず触り続ける魔女。

 一通り触り終えると、野球ボール位の大きさの水晶玉を手の平に出現させ、私には理解できない言語で呪文を唱えた。水晶玉が発光し、その光に魔女も包まれた。光が消えると魔女の服が私と同じ制服なっていた。

 

紺色のブレザーに白のブラウス。赤の紐リボン、灰色のスカートは膝上20センチのカスタムしてあるところまで再現されている。


 私と同じ。といってもスタイルに圧倒的に差がある為、魔女さんのスカートは私の膝上20センチを優に超えている。そして特に秀でるのは胸だ! その胸の大きさでブラウスの裾がせり上がり、白い肌が露となる。『へそフォルテッシモ』全開である!! なんて由々しき事態だ!!

 

 「おおーーー!!!」

 唐突の『太もも&おへそッシモ』のダブルパンチで、ハムスターとカエルのオス二匹が沸き立ち、拍手が起きる!


拍手をするな! 拍手を!! 

これはマズイ、私の存在価値がなくなるのではないか? なんとかしなくては!


「あの~、魔女さん? あなたくらいスタイルの良い人ならやっぱりさっきの服のほうが似合いますよ、ほら! 制服だとちょ~っと子供っぽいかな~って!」

ほとんど自虐である。

 二匹の前で、跳ねたり、回ったりして制服をというか『おへそッシモ』を披露している魔女がこちらの話に耳を傾けてくれた。


「そうかなー? けっこうイケてると思うんだけどなぁ~?」

絶っ対! チャイナドレスの方がいいですって~、それにほら! ホウキに乗るときスカートは問題でしょう?

「う~ん、それもそうだね。」

魔女さんは私の意見を素直に聞き入れてくれた。あとは、ええ~~! っと不満の声を上げる二匹を睨みつけ黙らせる。これでなんとか事なきを得た。


 それにしても魔法は何でもアリなんだね、同じ服作り出せるなんて……!?


「もしかして、その制服って今私が着ている制服と同じものですか?」

「そうだよ~」

「じゃあ、もっと作れたりします? 同じもの。」

「うんうん、できちゃうできちゃう~♪」

 私は魔女さんの腕を取り、二匹と少し距離をとった所に連れていった。


「あの、その魔法で下着も作れたりします?」

「作れちゃうよ!」

ヒソヒソ魔女さんに耳打ちしてるのに、魔女さんの返答の声は大きい。私が気にしていることを察してくれないのは、元々の羞恥心の概念が違うからだろうか……。


 私の羞恥心は気にしてくれないが、魔女さんの仕事は早かった。急にブラウスの胸元を掴み、私のブラをまじまじと観察し始めた。


「うひゃう!」

不覚にも恥ずかしい声を上げてしまう。上を見たなら、もちろん次は下である。

次は私のスカートを魔女さんの手が掴む。


「うわぁ! めくらないでくださいよ!」

ええー面倒だな~、そう言って魔女さんはかがむとスカートを頭にかぶるようにして、私のスカートの中に潜り込んだ。これはこれでとても恥ずかしい光景だ!


当然のごとく離れたところからオスたちの歓声が聞こえる。


「よ~し! いっくよ~、ソ~レ~!」

気の抜ける掛け声で発動する魔法。水晶玉から飛び出た光の中より、私の着けている淡い青色のブラジャーとセットのショーツが出てきた。


「先生! 青です! 青!!」

「うむ、青だな。」


見るな! このセクハラ動物どもがーー!!


 少し恥ずかしい思いをしたが、これから私が着るものには困らなくていいようだ。同じものしかないけど……。


 そうそう、と魔女さんが私に腰に巻けるベルト付きのポーチをくれた。オレンジ色の可愛いやつ。


 「これね、このバックと同じ構造のポーチなんだけど……よいしょ!」

魔女は斜めがけで肩にかけているバックに手を入れ、取り出した、いや引っこ抜いたかな? 来た時に乗っていたホウキを引っ張り出した。普通では有りない状態だ、いくら大きめのバックだとしてもあの長さが収まるはずがない。


「それも、魔法ですか?」

「うーんとね、よくわかんないけどバックがそうゆう仕組になってるって言ってた気がする。バックの口の大きさに合うものならなんでもしまえるの! いくらでも入るのよ、すごいでしょ!」

それの小さいヤツがこれ! そう言って私にポーチを渡してくれた。


「取り出す時は手を入れて、欲しいものを思い浮かべるだけ! 簡単でしょ!」

私はさっき出してもらった制服と下着を試しに出し入れしてみた。服の場合小さくたためるから小さいポーチでも問題ないみたいだ。


「ああ、あと注意なんだけど、バックの口は必要ない時は必ず閉じておいてね。そうしないと小さいお……」


小さい、何? 私が目で続きを促したが、魔女さんは先程まで細めていた目を見開き停止したと思ったら私から顔を逸らした。


「中のものがね、勝手に出ちゃうとね、困るからね」

こっち見て言ってくださいよ! なんですか?! 小さい、なんですか!!?


魔女はアハハと軽い笑いするだけだった。



「先生、あの中って一体……」

「知らない方が幸せってこともあるんだ、センパイ」


そうです、ね――。



 「は~~い! では改めまして! 私は魔女の『リンリン』ちゃんでーす♪ ぴっちぴっちの百十七歳で~す♪」


 ひと騒動が一段落して、やっと自己紹介が始まった。魔女さんは私の熱い推薦で一緒に旅をすることとなった。


百十七歳、若いんだ……。確かに見た目は私より少し上って感じがするけど――何、センパイ? 少しどころじゃないだろうって? 誰が胸の話をした! 何時した!? 私とセンパイの即興コントはスルーされ、落ち着いた声でカエルさんが話し始めた。


「私はゴードンだ。正式には、ゴード・ランストン・エリスナス・ファリオ――」

「私も先生って呼んでいいですか?」

「ああ、好きに呼んでくれて構わないが、まだ名前を言い終わっ」

「よろしくお願いします!! ゴードン先生!!」

あれは確実に長々とした名前だ、全部聞いたところで得はない! と判断した私。


この方がオイラの剣の師匠だー! はいはい、わかってるよセンパイ。


「えっと、私は……。」

「ギコだ!」

くっ、名前がわからないって不便だ。変な名前付けられても文句言えない! 違うと反論しても言い直す名前がないので諦めて受け入れるしかなかった。


「ギコのじいさんがこの世界の何処かにいるから、見つけ出すのが旅の目的。こんなけしからん服のJKだけどよろしくな!」

そのセリフは私のだ! ってかけしからんって言うな、もう!!



 こうして色んなめぐり合せによって集まった私の異世界パーティ。

光速(自称)のハムスター、センパイ。

キノコヘアーのカエル剣士、ゴードン。

ホウキで空は飛べるが着陸が苦手。チャイナドレスのへっぽこ魔女、リンリン。

神様によって中途半端に再生され、自分の名前がわからない女子高生の私、ギコ(新山凪子(仮名))


 なんと! ステキなパーティでしょう! 頑張る、私、なんにも出来ないけど頑張るよ~(泣)!




 ところで、次はどこへ向かえばいいの? 

 そりゃあ、その棒が示す先だ!


 早速、貰ったポーチにしまったあの棒を取り出す。私は未だに、この棒の力を信じていなかったりする。


さて、人が増えてきました、正確には一匹と魔女一人ですが。大変ですね、行く先が見ない主人公と一緒で作者もどうしたいのかイマイチです。ほんとダイジョブか?! ですね。

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