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JKとゆく、異世界の歩き方  作者: プリンシプル
第一章『赤き竜の姫』ギコちゃん
2/9

神様がチャラ男なんて、嫌すぎる。

勢いだけで珍しく早めの投稿となりました。特に規則性を持たせない、何も考えていないタイトルとかがまさにそんな感じ。

 私が知らないこの世界に朝が来る。


 朝の日差しが差し込む部屋に不穏な影アリ。


 朝の陽気に爽やかな目覚め。とはいかなかった。私の太ももあたりに変な感覚が……。


すりすり、さわさわ。


 満員電車で触られた感覚を思い出し、全身に鳥肌が立つ。


「いやぁぁーーー」


私は悲鳴と共にその不届きものを蹴り飛ばした。

私の足がどこに当たったわからないけど、とりあえず撃退してやった。


何者かが壁にぶつかる音がする。


「顔を足蹴りするなんてひどいじゃないか」

赤くなった鼻をさすりながら立ち上がる男。

男は、金髪ロン毛に青いカラーコンタクト。派手な柄のシャツにハーフパンツという姿。どこからどう見てもただのチャラ男だった。


「な、なによあんた! どっから入ったのよ!」




「おっす!おいら神様!」

私の言葉はどこ吹く風で挨拶をしてくる男。


どう見てもあんたはチャラ男で変態だよ! 

眠っている女子高生の太もも触るとかありえないし! どこにそんな神様がいんのよ!!


「神様なら神様らしい格好しなさいよ、なんでチャラ男なのよ!」


「チャラ男? 何を怒っているんだい? この姿は君のタイプそのものだろう?」


「私たちは実体がないから見る人によって形が作られるんだ。だから君の好きなタイプの人に見えてるはずなんだけどな」


 私が好きなのは金髪で青い瞳の映画俳優であって、染めた金髪でカラコンのチャラ男じゃない!!!!


 悲鳴を聞きつけ部屋に飛び込んできたセンパイ。


「どうした!? ギコ!」


センパイは私の横に居る男の存在を認めるといきなり恐縮した。


「これは神様、お久しぶりです!」

違うよ! コイツはチャラ男で変態なんだよ! センパイ!!

私の太もも触ってたヤツだよ! 少なくとも神様には見えないよ!


「はっはっはー、お久しぶりだなーセンパイ君」

チャラ男に頭を下げているセンパイ。一体、彼にはコイツの姿はどう見えてんのよ!?


なんてことだ! コイツが変態だということが伝わらないなんて!


 私が未だ睨みつけていると、やれやれとチャラ男が今更姿勢を正して話を始めた。


「まぁまぁ、少し落ち着いて話を聞いておくれ。まず、JKよイイ! 太ももをありがとう!」


死ね!! 手近なものが枕しかなかったので枕を投げつけた。


「はっは、そう怒るなよ。私はホットパンツより制服のスカートから見える太ももの方が大好きだ!」

確かに私の今の格好は、センパイ母に借りた半ズボンが人間の私には少し小さくホットパンツを履いてるみたいになってるけど、私が好んで履いているわけではない。


 聞きたくもない趣向を宣言したチャラ男は、指を鳴らし一瞬にして私の服を干してあった制服へと着替えさした。


「うむうむ、やはりスカートから覗く太ももは格別だな!」

ですねー、とセンパイまで喜んでいる。私の味方はいないのか?


 「太ももトークはこれぐらいにして、そろそろ本題に入ろう」

誰がそんなトークを頼んだ! 初めから余計なことしないで本題から話せばいいでしょ!


神様は自分の背中を掻くような仕草をすると、後ろから紺色のスクールバックを取り出した。


「あっ!私のバック!返してよ!!」

神様の話も聞かずバックを神様の手から強奪した。

私はバックをひっくり返しベットの上に中身をぶちまけ、すぐに中身の確認をした。


私の名前が分かるものがあるかも知れない。僅かな望みに願いをかけて、出てきたものを見た。


 学校指定の体操着にスパッツ、シュシュ、スマホにハンカチ。


そうだ、体操着に名前が書いてあるはず! 


体操着を手元で広げるが、その背中には名前は記されていない。

そうだった、個人情報がどうとかで名前は入れないようになったんだっけ? あの時は名前がなくなって嬉しがっていたのに、名前の重要性がこんなところで露呈するなんて……。


 他に手掛かりはないものか? と探していると、私が記憶しているバックの中身とは明らかに物が足りないことに気づいた。


「あの、もっと化粧ポーチとか手帳とか入ってたと思うんですけど?」

神様は、やっちゃった!てへぺろ♪ みたいな表情をしていた。


「ごめんごめん、君が落ちた時に一緒に荷物が少し落ちたみたいなんだよ。ダイジョブ! 体操着とスパッツは死守したよ!!」


あんたなんかに私の着る服が触られたかと思うとゾッとします。


ん? 今、私が落ちたって言ったか!? このチャラ男。


私は恐る恐る聞き返してみた。


「今、私が落ちたとか言いませんでしたか? 神様」


「いや~、君を運んでいる途中で近くを魔女のリンリンちゃんが通りがかったんだよ! 彼女、イイ! 太ももしてるからね~ついつい見とれていたら、君のこと落っことしちゃってさ、ちょうど下が川で、彼も近くに居たから君のことはお任せして、ワタクシはリンリンちゃんの生足をもっと近くで拝む為に追っかけちゃったってワケさ~」


センパイの方を指さしながら、こちらには腹立たしい、てへぺろ顔を向けている。


 もうコイツは二度と神様などと呼ばない、固く心に誓う私であった。


 これで私が目が覚めたらずぶ濡れだった理由がハッキリわかった。

今すぐにでも目の前のチャラ男をタコ殴りにしてやりたい! だけどまだ、聞かなくてはいけないことがあるのでこの衝動は抑え込んだ。


「バックの中身は仕方ないです、もういいです。それより私の記憶が抜けているのはなぜですか?」


「君の体は損傷が激しかったからね、修復に時間を要したんだ。それなのに記憶の修復途中に落ちちゃったんだから仕方ないね」

私は無言で拳に力を込めて、怒ってますよ! の仕草を見せつける。

 

 ほら、死んだ時の感覚とか思い出さなくていいのはある意味ラッキーだよ。と何とも響かないフォローが更に腹が立った。


 「お詫びと言ってはなんだけど、コレを君にプレゼントしよう」

渡されたのは赤いフレームのメガネだった。


「昨日、文字が読めなくて困ってたよね? これを掛ければ万事解決さ! 試しにこの文字読んでみて」

またもチャラ男の後ろから物が出てきた。一冊の雑誌のようだ。

私は貰ったメガネを掛け、本の表紙を見つめた。


「じょし、こう、せい、せいふくずか、ん?」


『女子高生制服図鑑』

 

 そんなもんばっかり読んでるから、神もこの世界もちょっとオカシイでしょうが!!!


 もう嫌だ、この世界……。


 「おや? だいぶお疲れのようだけど、話を続けてもいいかな?」

私に構わずお好きにどーぞ。


「あと、何を話さなくていけなかったかな? そうだ、君のおじいさんもこちらに転生しているから会ってくるといいよ」


「おじいちゃんがこっちにいるんですか!?」

私は身を乗り出してその話に食いついた。

おじいちゃんに会えば私の名前くらいはわかるかも知れない。そんな考えが頭をよぎる。


「それで、今はどこに住んでるんですか?」

あー、えーと、ね。

歯切れの悪い受け答えは、知らないということを言わずして言っているようなものだ。


「聞いた私がバカでした。すみません。」

そんな簡単にあきらめないでよ、神様だって悲しくなるよ。


「おじいさんをこちらに連れてきたのは私だけど、随分前のことだからね。現在どこにいるかまでは把握してないんだよ」


そうゆうこと何でもできるのが神様じゃないんですか?


「何でも出来るなら、今頃世界はJKとスカートの短い女性で溢れていることだろうね!アハハ♪」

最悪です、良かったです、神様がそんな力持ってなくて。


「人探しなら魔女に相談するといいよ、街に行けば請け負ってくれる魔女がいるだろうし」

頼めるかな? センパイ君?


「任せてください、どのみち街へ買い出しに行こうと思ってた所ですので!」

センパイは敬礼みたいなポーズを取って応えいている。


「とりあえず、こんなものかな? じゃあ後は何かあったらスマホに連絡するね」

まさか、この世界でもスマホが使えるの? と電源ボタンを長押ししてみるがこれといった反応はない。


「ああ、ここは雷はあるんだけど『電力』って概念ではないから動きはしないよ。だから、神様パワーでこちらからの一方通行な通信をするから」


なんか如何わしいパワーですね。口には出さなかったが顔がそう言ってしまっているようだ。

チャラ男が苦笑いを浮かべていた。


「それでは、私はここいらでドロンします。サラバじゃー」


神様パワーで神様の姿が忽然と消えた!


なんてことはなく、普通に窓を乗り越えて出て行った。


「相変わらず神様はすごいお方だなー」

どこがですか? センパイさん?


 なんか朝からドッと疲れたよ私は。



 朝食までは少し時間があるようで、それまでセンパイの朝のトレーニングに付き合わされた。

私はコウハイ君を連れて家の裏へとやって来た。今日もコウハイ君の笑顔は私を癒してくれる。


もう! 思いっ切り抱きしめてもふもふしたいよ! もふもふ♪


 センパイの家の裏は結構な大きさの庭があり、一部家庭菜園としても使っているようだ。田舎の家の敷地の広さってやっぱりこんな感じなんだろうか? 都会暮らしだった私には考えられない広さだよ。


 センパイは体を解すように準備運動をして、終わると一人走り込みをしたり腕立てをしたりと、筋力トレーニングを始めた。


私はハムスターのマッチョ姿を思い浮かべ思わず吹いてしまった。


どうかした? とコウハイ君の可愛い目が私を見たので、なんでもない、なんでもない。とお腹を抱えながらも誤魔化した。


 少し体を動かしたら、センパイはコウハイ君を呼んで何かを言い付けた。



 「兄ちゃん、持ってきたよ」

センパイの指示でコウハイ君が丸太の木を用意してきた。


「ギコ、よく見ておけ!これがラッタート族が光速の戦士と呼ばれる由縁だ」

センパイは背負っていた針を抜き、構えると音もなく姿を消した。

私は驚き周りを見渡していると、コウハイ君が丸太を見てるようにと教えてくれた。


私が視線を向けたその瞬間! 地面に立てられた丸太に物凄い速さで穴があいていった!


軽快な音と共に丸太が蜂の巣のように姿を変えていく


「すごい!」


丸太に穴が開く音が止んだので、私はセンパイの姿を探して視線を彷徨わせていると、いつの間にか私の横に居た。


 四つん這いで肩で息をしている疲れきった状態で。


「どう、だ!ハァ、ハァ。これが光速の、ラッタート族のちから、だ!」


凄いんだけど、技を使ったらへタレ込むのは問題じゃないの? 


「わかってる、通常はここまでしない。スピードで相手を圧倒して倒すから。この技を使う時は相手を一撃必殺で倒す時だけなんだ」


素直に、それはそれで微妙って言ってもいいのかな? と思っていたらコウハイ君がヒソヒソ耳打ちをしてきた。


「兄ちゃん、今日はお姉ちゃんが見てるからっていつも以上に張り切ったみたいだよ」


まさか、センパイが私を意識して? いや、意識したの私の制服だけだろうな……。



 センパイの回復は早く一分と経たずに立ち上がったが、ちょっと無理してるっぽい。


「よし、それじゃあ朝ごはん食べに帰るぞ! 食べ終わったら街に買い出しだ」



その言葉に私の頭の中は


街に行ったら絶対、シャンプーとリンスを買う!! で一杯だった。



 存在するのかどうかもわからない物に想いを馳せてしまう、私でありました。




あまり前の話を読み返さないで書いたので、この場所でしときたいフラグ回収は全部出来てるのか?自分で把握できてないです。なるようになれ!ということでいいかな・・

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