俺様猫様
恋を自覚してしまったら、少々厄介なものだ。
漫画や小説、他人事のように眺めて楽しむ分はいいものだけれど、自分に芽生えてしまえば面倒。
中学三年の終盤で、とある男子グループと仲良くなった。
偶然にも皆が同じ高校に進学。
それからも仲良くできた。
ほんの少し顔のいいメンバーだけれど、アイドル並みにモテるわけではないから女子の嫉妬の的にはならない。
化粧やモデルや恋愛ドラマについてきゃあきゃあ盛り上がる女子達のテンションにはついていけなかった。それらに興味のない私には少々、辛い。
でも彼らとならば、漫画やアニメ、日々のくだらない疑問で盛り上がるから楽しかった。
だからほとんどの時間を、彼らと行動した。
私よりも背の低い胡桃優太くんは、幼い顔立ちで肌も色白だけれどやんちゃ。
皆が勉強方面を頼る眼鏡をかけたグループの中で一番の優等生、因幡晴彦くん。彼はグループの暴走を止める重要な役も担っている。
長谷川光國くんは、優男くん。アダ名はミッツー。
とっても気の利く長身でよく恋人ができる。でもすぐに別れてしまう。
恋人さんが私達のグループに加わったり抜けたり、加わったり抜けたりした。
その度、私達は慰めた。
「ミッツーはね。モテるんだよね、優しいしイケメンだし背が高いから。でもね、うん……優しすぎるんだよね。高校生って、ほら、高望みしちゃうからさ。イケメン度というか、ワイルドさが足りなくて、なんか違うなって思っちゃったのかもよ」
「ワイルドさってなに。野性っぽくってなに。おれに一体なにになれと言うんですか」
膝を抱えて顔を伏せるミッツーの頭を撫でながら、フォローをする。
フラれる時には決まって「なんか違った」と言われてしまうので、二度目は堪えたらしい。
女の子も告白しといてそれはないと思うんだよね。
「いや、やっぱりなんか想像図と違ったんだろ。次はどんな風に付き合いたいかを予め聞いとけば?」
同じくしゃがんで相談に乗っている晴彦くんは、頬杖をついて意見を言った。
「ミッツーがちょっと尽くしすぎてんじゃないの? それが重く感じちゃったとかさ。ミッツーは気遣いすぎじゃん」
優太くんはそうズバッと言いつつも、ミッツーの差し入れであるお菓子を頬張る。
「ねーねー、アッキーは?」とポリポリ食べながら、優太くんは一人だけ机に突っ伏して寝ていた子に話し掛けた。
丁度私の向かい側。
のっそりと上げた顔は眠たそう。いつもの表情だ。
ぼんやりと私と目を合わせた彼は、また腕の中に顔を埋めた。
「ゆーたと付き合えばいいと思い、ます」
「あ、じゃあ……ふつつかものですが、よろしくお願いします。きゃんっ★」
「ねぇ、おれフラれたばっか、傷心中。もっと真面目に慰めて」
眠気たっぷりのいい加減な回答に、優太くんが悪乗り。
顔を上げたミッツーは涙目でした。
櫻木暁くんは、この中で一番の問題児だ。
無気力がモットーな彼は、常にヤル気なし。けれどもやればできる子で実は運動神経抜群。
やればできてしまうからこそ、やる気が削がれるのか常に無気力。
私はいつもお決まりみたいに「やればいいのにー」と彼に声をかける。やればできることを楽しめばいいのにって私は思うから。
気紛れで本気を出せば、女子に注目されるけれども、彼も女子特有のきゃぴきゃぴさが嫌いなため、ミッツーのような優しさは皆無。
顔がよく運動神経もいいのに優しさがなければモテない。告白も口説く隙も与えないため、人気なし。
「女の子の理想の高さに追い付けなかったことに嘆いてもしょうがないよ。次はありのままミッツーを好きになってくれる人と付き合えるよ」
「くれっちだけだよ……まともに慰めてくれるのは」
「おい待て。まるで俺の意見を優太や暁と同類みたいにするな、こら」
「痛い」
背中を撫でてミッツーを励ました。
ミッツーの余計な一言に反応して、晴彦くんのチョップが下される。
まぁ、いつもこの調子である。
私は金原呉葉。くれっちとよく呼ばれている。
なんとなくこのグループに居座ってしまった何の特徴もない女の子でしょう。
放課後は部活もないのに教室で部活組を待ち、一緒に帰る。毎日些細なことを冗談にして盛り上がり笑う。
そんな心地よい時間が好きで、なかなか離れられない。
男子だったら、もっと彼らと仲良くなれるのに。
最近よく、それを思う。
優太くんは剣道部。
可愛くてかっこよくて面白いけれど、背が低いからという理由で恋愛対象外らしくなかなか恋人は出来ない。
晴彦くんはサッカー部。
頭がよくスポーツも出来るというのに、堅そうと言う勝手なイメージのせいで近寄る女子がいない。とても残念です。
私とミッツーと暁が、よく教室で待つことになる。
談笑することもあるけれど、殆んどの場合は持参してきた漫画や小説を読んで時間を潰す。
読み終われば回し読みをする。
家は市内だから皆一緒に下校。その際に談笑をする。
登校も待ち合わせをしなくともばったり会うことがあるから、殆んど一緒だ。
高校生になってから、彼らとは殆んど一緒だな。
殆んど、と言えば暁だ。
暁は漫画より睡眠を優先すると必ず私の机で寝る。
私が使ってて読書していても、必ず私の机の上で寝ようとする。
横に椅子を運んで、突っ伏する。
別に邪魔じゃなかったから、私はなにも言わなかった。
暁はいつも腕の上に乗せた頭を私に向けて寝息を立てる。
地毛である茶髪の下から見える顔立ちは整っているから、目の保養だ。
暁が私の目の前でお昼寝をすることが当たり前になった。
手にした本の文字を追うより、暁の寝顔を見つめる時間が多いことに気付いたある日。
ついに恋心の自覚をした。
警戒心の強い野良猫が、私という女の子だけなついてくれたみたいで、どうしようもなくときめいてしまう。
離れなくちゃ、いけないと思った。
友情で結ばれたグループを、私の恋心のせいで壊れてほしくないから、私は離れることにした。
無気力で女の子嫌いな暁に、恋心があると気付かれただけで嫌われる。
暁の女の子嫌いは相当だ。
告白しようと呼び出そうとする女子への態度は怖いほど冷たい。
暁が好きな私がいるだけで、グループの雰囲気は悪くなる。
だから、離れることにした。
グループを避けることは、簡単だ。
いつもと違う行動すればいい。ただそれだけだ。
暁とはクラスが違う。
一緒なのはミッツーだけ。
だから放課後は、用事があるからと謝り先に帰る。
登校時はいつもより五分早く出るだけで、皆と会わない。
廊下ですれ違っても、話し込まないように挨拶するだけで通り過ぎる。
それを繰り返した。
とても、つまらない毎日だった。
私の高校生活が、彼らと離れることで色褪せていく。
恋心も色褪せてくれないかな。
色褪せたら、なに食わぬ顔で戻ってもいいかな。
受け入れて、くれるのかな。
少女漫画みたいな逆ハーレムヒロインな立ち位置でも、当然私には複数の異性に言い寄られる魅力的要素はない。
そもそも暗黙のルールのようなものだった。
冗談でも私と付き合うなんてことを、一切言わない。
異性としての魅力が欠けているからこそ、なのかな。
あーあ。
私が男の子だったらいいのに。
人生は彼らとの友情だけで、賑やかになるのにな。
「呉葉。今日一緒に帰ろ」
「あー、ごめん。先約あるんだ」
クラスの女子グループになんとなく愛想笑いして居座って過すことに慣れてきたあと、放課後に教室に入ってきた暁に捕まってしまった。
眠たそうな表情に、微かに不機嫌なシワが加わる。
ちょっと、それだけで怖い。
鞄を持って横を通り、逃げる。
廊下を歩いていたら、後ろから追い掛けるような足音がした。
もしや、追い掛けてきてないよなぁ。
不安になりつつも歩調を早めたら、後ろの足音も早くなった。
あれ!? 追われてる!?
怒った暁は怖いから、階段を駆け降りて一階を走る。教師に見付かるとそれまた怒られかねないから、渡り廊下を出た。
振り返ってみれば、ぎゃああぁああああっ!!
アッキーが追ってきてる!!
走って追い掛けてくる!!
怒ってる怒ってる怒ってるよ! アッキーがなんか怒っているよ!!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいなんか知らないけれどごめんなさいっぎゃああぁああああっ!!!
心の中で悲鳴を上げながらも、中庭を走り渡り廊下を走り逃げる。
けれど私よりも足が長く運動神経のいい暁から逃げ切れるはずもなく、池の前で襟を捕まれて確保されてしまいました。
「ハァハァハァッ……アッキー、本当に足、早いね」
「呉葉は逃げ足早すぎ……ハァハァ」
流石に疲れた。
二人して息を切らす。
私は逃げ腰だ。暁はなにに怒っているんだろう。
「あの、なにかな?」
「呉葉、俺達のこと避けてるだろ」
流石に、一ヶ月以上避ければ、気付かれますか。
「え、なんで」
「昨日皆で尾行した。真っ直ぐ家に帰って出てこなかったじゃん」
「うそっ、気付かなかった、皆尾行上手いね!」
「うん、探偵になれると思う」
「……」
「……」
ってそうじゃねーだろ!
晴彦くんのツッコミが脳内に響いた。
しまった、暁はツッコミを入れないから私がちゃんとしないと、素で斜め上発言しちゃったよ。
私の先約やら用事やらは、嘘だと皆が確信してしまったのか。
「ねぇ、なに? なんなの? なんで俺達を避けるの?」
「いや、避けるって言うか……」
「目、泳いでる」
未だに私の襟を掴んで逃げないようにする暁の手に、私の束ねた髪が乗っかっている。
背中を向けていると余計怖いから、掴まれたまま向き合っているので、目をそっと合わせた。
眉間にシワを寄せて、見下ろしているアッキーは怒っております。
「なに? 女子達といても、楽しそうに見えないってミッツーが言ってた。むさい俺達といるより、きゃぴきゃぴ煩い女子達の方がいいわけ? だったら皆で女々しくしてやるよ、女の子口調やってやるわよ」
「んー、皆が女の子口調やるとね、何故か陰険な口論になるからさ……それは勘弁してほしいかな」
優太くんが女の子口調だと可愛いんだけれど、ミッツーと晴彦くんはオカマ方面に行ってしまい、暁は暁でノリノリに陰険な女子の悪口トークを始めるから、会話があらぬ方向に行くんだよね。
それを毎回やられたら、避けたくなるよ?
たまにやるから面白いんだけれども。
「じゃあなにすれば、戻ってくるの。なにが気に食わないんだよ」
「……いやぁ、えっとー」
いつも無気力なアッキーくんが、全力を尽くして私をグループに戻そうとする。
それが嬉しくて、悲しい。
私だけが特別扱いされる女の子だって、勘違いしちゃうじゃないか。
あくまで、友だち。
仲良しグループの友だちの一人。
特別扱いされて浮かれる女の子だと知っていたら、暁はここまで追い掛けてこない。直ぐに私の襟を握る手を離して歩き去る。
「また目を逸らす。上手い言い訳考えてるでしょ」
「……あの、アッキー様。何故そんなにヤル気満々なのでしょうか」
「俺様はいつもヤル気満々だ」
「嘘だ」
「いつも"やればいいのにー"って言ってるのは、呉葉でしょ」
「んー、こういうやる気のことを言ってるんじゃないんだけどなー。スポーツ面にやる気をですね」
「今走ったじゃん」
「無気力なアッキーくんが好きです、ヤル気満々だと俺様猫様になるのでやめてください」
「いや、いつも俺こんな感じでしょ」
「…………………………本当だぁ、普段から俺様猫様だ」
「てか、俺様猫様ってなに」
鋭いし、全力で追い掛けてくるし、なにがなんでも引き戻そうとするヤル気満々な姿勢の暁が、結構な俺様キャラだと思い訊いてみたけれど、普段からこうだった。
なんだかんだで自分の要求を押し付ける人だ。
普段が無気力過ぎて全然目立たなかったけれど思い返せば、晴彦くんに課題を押し付けて代わりにやってもらったり、晴彦くんの分のお菓子を黙って食べたり、晴彦くんが参考書を買う時漫画を出して無理矢理買ってもらったり……あれ、被害に遭ってるのはいつも晴彦くんだ。
「暁は猫みたいじゃん? 俺の気が向くままーな感じだから、咄嗟に俺様猫様って言葉が出たの」
「呉葉のせいで寝不足なんだけど、放課後全然寝れないんだけど」
「ああ、俺様猫様興味ない、全然興味? てか、暁は授業中も寝てるから睡眠は十分とれてるはずだよね」
「あの呉葉がなきゃ寝た気がしない」
「私は使い慣れた枕かっ」
言い方が間違いなく、"あの枕がなきゃ眠れない"だった。
「枕は呉葉の机。ま、でも呉葉がいて、セット? みたいな」
「結局枕! てか私がいなくても私の机で寝てるの!?」
「だから、呉葉のいる机じゃなきゃ眠れないの。もう寝不足で倒れそう……」
「隈が浮かんでいない綺麗な顔で疲れた表情しても無駄だよ、君はさっき元気よく走り回った。目撃者は私です」
「もう呉葉が添い寝してくれなきゃ、一生眠れない」
「聞いてなっ……うっ」
暁は寝不足を無理に理由にして私をグループに、というか机につかせようとする。
コツリ、暁が、私の頭の上に額を重ねてきたら、私は動揺してしまった。
ビクリと震えたあとに、息を止めて固まる。
「…………呉葉?」
その距離のまま、呼ばれた。
顔が熱くなる。
ああ、だめだ。終わってしまった。バレてしまった。
怒られてしまう。
嫌われてしまう。
私は悪足掻きで目を強く瞑った。あわよくばなにも言わず去ってほしかった。
暁に怖い顔で見下ろされたくない。
「……俺のせい?」
暁は、まだ私の襟を離さなかった。
私は見上げる勇気がなくただ俯く。
「やっと、俺を意識してくれたの?」
「……………………へ?」
思わず目を開くけれど、流石に顔を上げることは出来なかった。
「俺に嫌われると思って、俺を避けてたんだ? バカだね、呉葉」
もう片方の手が、反対側の襟を掴んで私の顔を上げさせる。
暁は怒っていなかった。
眠たそうな表情だ。
「キス、していい?」
「……え」
「初めてだから、下手かもしれないけど。してもいい?」
「え、えっと、だめ、かな」
「呉葉にキスしたいです、いいですか」
「だ、だ、だめ、です」
掴んだ襟を引き寄せられて、顔が近付いてしまう。
真っ赤になりながらも、私は首を左右に振る。
な、なにを言っているんですか。いきなり!
「まだわかんないの? 俺がここまで追い掛けてきたのも、こんなにヤル気満々なのも、全部呉葉が好きだから。そばで寝るのも、話すのも、一緒にいるのも、呉葉だからだよ。呉葉が好きだから。他の女子にしないって、知ってるでしょ。もう、鈍感。で、キスしたいです」
「………………さ、最初から、言って、ください」
「だって、呉葉はあくまで俺を友だちだと認識してるのかと思ったから。フラれたくないから、意識されるの待ってそれとなくアプローチしてた」
「あ、アプローチって……」
「呉葉の机で寝たり、呉葉以外の女子とは喋らなかったり」
「…………告白してください」
「君のそばにいるのが好きです。一緒にいて心が安らぎます。呉葉が好きです。キスしていいですか」
いや、そうじゃなくて。
好きなら早く、もっと早く告白してほしかった。
好きならはっきり好きだと言ってくれないと、女の子嫌いな君に異性として好かれてるなんて気付けません。
言い方からして、随分前からアプローチをしてくれたようです。
私が鈍感なだけか、そうなんですか。
「呉葉、キス」
キスをしたがる暁が、私の許可を待つ。
「あの、いきなり、キスって、どうなの」
「ずっとしたかった。だめ?」
「……だめではない、です。ええっと、暁。その、好きです」
「…………もっとしたくなった」
観念して私は許可をした。
暁は私の襟を掴んだまま、顔を近付けて軽く唇を押し付ける。
触れるだけの、初めてのキス。
暁は離れたけれど、顔は近いまま。
俯いた視線が暁の唇を捉える。触れちゃったんだ。
いつも寝顔を眺めている時に見ていたその唇と、私の唇が。
「……呉葉、もう一回してもい?」
「ええっ? なんでっ?」
「予想と違って柔らかかったから、もう一回したい」
「う、うん」
また暁は唇を重ねてきた。
暁の唇の方が柔らかいと思います。
ドキドキドキ、心臓が暴れててもう限界。
「……呉葉、もう一回」
「いやっ、もう、もう、最後ね、最後だから、またもう一回は私の心臓が止まるからっ!」
「それは困るね。じゃあ、今日はこれで最後」
まだ要求してくるから、最後にしてもらう。
頷いた暁は、私の襟を引き寄せると開いた唇を押し付けてきた。
唇で噛み付くみたいにして私の唇を開くと、ぐっと唇を押し込んだ。
「ふっ、んっ」
暁の、暁の、し、しし、舌がっ。
舌が入ってきて、私の舌と絡ませてきた。
まるでなにかを食べてるみたいな、キスをされる。感触は柔らかくて、温かくて、なにがなんだかわからなくなってしまう。
足が震えてきて、立っていられなくなった。けれどお見通しだったみたいに、いつの間にか暁の腕が背中と腰に回されてる。
「ふー……キスって、こんなもんかな。どうだった?」
「……腰、砕けた……」
「呉葉、すごい顔真っ赤」
長い長いキスのあと、やっと唇を離してくれた暁は、私を支えて抱き締めながら笑う。
「心臓はちゃんと動いてるし、もう一回」
「だめっ!!」
次は止まるから、きっと止まるから!!
絶対にランク一つ上のことを企んでいるから全力で拒否した。
もう、もう、ヤル気満々にならないでください。
切実にこの子は、やる気を出してやればできることを、やらないままでいてほしいと思いました。
「呉葉がカノジョになりました」
「暁が、カレシになりました」
顔の火照りが引くまで、待ってもらってから教室に戻れば、三人は待っていた。
手を繋いで報告。
「やっとか、遅い」
「うん、遅かったね」
「おめでとう」
三人とも驚かなかった。
何故だ。私はやはり鈍感か。
「暁が呉葉を見る目はどう見たって、メス猫を見る目じゃん」
「メス猫って……晴彦くん」
「俺そこまで盛ってないからね」
真顔で言って退ける晴彦くん、酷い。メス猫って。
「えーでも、くれっちの机で寝るのって、ある意味マーキングだよねー」
「どう考えても本能の赴くままなコイツが呉葉好きだってバレバレだろ」
「くれっち、鈍感だね、心底」
「皆言いたい放題っ!」
優太くんも晴彦くんもミッツーも、私の鈍感に呆れる。
なら言おうよ! 教えようよ!
「さて帰るか。俺達と帰る? それとも二人きりで帰る?」
「あー一緒に帰ろう。俺は呉葉の家で二人きりになるから」
「え? 入れないよ、家には」
「さっきの続きしようよ」
「しないよ!?」
「え、学校でなにしてたの。エッチー」
「違うよ!? 皆想像しないで!」
暁と手を繋いだまま、久し振りに皆と下校をした。
今まで避けていたことは、怒られなかったし誰も言わなかった。
色褪せた高校生活に色が戻り、俺様猫様との交際がスタートしました。
end
朝、ふんわりと思い付いて
仕事中に考えていたら
楽しそうだったので
書いてみました!
楽しかったですね。
愉快な逆ハーレム(笑)
なんだかんだで呉葉ちゃんは、ちやほやされている逆ハーレムヒロインでしたねw
いつものごとく、誤字脱字が多かったかもしれません。すみません。
お粗末様でした!
因みに続きはありませんよ!