最後の試合
1週間後にあたし達3年生の最後の大会が始まる。
練習に力が入るあたしは背番号1番
ピッチャーだ。
あたしは練習後もひたすら投げ込んだ。
その時だった…!!!
ぐきっ
『え…』
あたしは足を捻ってしまった。
翌日病院に行くとねんざと診断された。
2週間あれば治ると言われた…
しかし、あたしにはそんな時間はない。
学校へ行き監督に話した。
あたしはメンバーから外された
それからはベンチでみんなの練習を見守った。
悔しかった…
やるせない気持ちでいっぱいだった
試合まであと3日
あたしは監督に言った
『どうしても試合に出たいんです!投げたいんです』
困る監督にあたしは泣きながら言った
『お願いします!お願いします!』
すると
「私達からもお願いします」
チームメイトだ
あたしの代わりに投げていたピッチャーが言った
「わたしには来年があります。先輩に投げてほしいんです」
『みんな…』
みんなで頭を下げた。
すると監督は言った。
『わかった。そのかわり本番以外は投げるな!』
あたし達は抱き合って喜んだ。
そして、ついに試合の日がやってきた
朝から監督にもらったまずい痛み止めを飲む。
『よし!』
アップを始める。
思った以上に足の調子は良かった。
円陣を組んだあたし達は顔を見合わせ気合いをいれる。
そして、試合前のシートノック
やってやるぞ!!!!
緊迫した中
「プレイボーイ!!!」
試合が始まった。
どちらも点をやらない
いいゲームだ。
しかし5回
足を痛めているため踏ん張れきれずワイルドピッチが続く…
フォアボール…
フォアボール
そして相手チームのヒット
『このままじゃ…』
監督がタイムを取った
集まるナイン
「もう無理だろ?ピッチャー替えるぞ?」
悔しかった…
しかしチームが勝つためにはそれが1番の選択だ。
『はい!』
するとキャッチャーが言った
「まだやれます」
ショートが言った
「私達がカバーします」
みんながあたしの顔を見て頷く
『やらせて下さい!!』
「…わかった。お前らしっかり守るんだぞ」
「「はい!」」
キャッチャーが言った
「コースなんて考えなくていいから!ど真ん中で勝負するよ」
『え…』
「バックを信じて!仲間だろ?」
『うん!』
試合再開
あたしはキャッチャーのミットだけみて投げた
しかしど真ん中に投げる球
打たれないわけがない…
カキーン
大きな当たりだった
しかし…
センターのダイビングキャッチ
あたしは叫んだ
『ありがとう!』
すると
「ばぁーか!何言ってんの!」
と、真っ黒な顔に笑顔が見えた
バックから聞こえる
「バッチコーイ」
の声
『あたしは一人じゃない』
ど真ん中に投げ続けるあたし
ナイスプレイのみんな
そして
「ゲームセット!」
8対1
あたし達のボロ負け
大泣きするあたし達
でもみんな笑顔だった
「よぉし!!!明日から恋に勉強に燃えるぞ〜」
『だねっ』
本当なら勝てる試合だったかも知れない…
それでも勝つことより仲間を選んだあたし達
悔いはない…
すると後輩が言った
「私達も先輩達のようになりたい」