「能力者主義社会でブサ面の俺が不死身になった件」ep.2
薄く水色の髪色…氷のような表情の女の子。
「こいつじゃない…」
何か呟いて去っていった。
俺は警察に通報して、すぐさま家に帰った。
取り調べは面倒だ。それよりあの女の子。
俺の高校と同じ制服だ。
今度会ったら声でも掛けて…、いや、面倒事は嫌いだ。
次の日、俺はいつも通り通学した。
俺はブサ面すぎて、友達がいない。むしろ、軽いいじめを受けている。
机で寝たフリをしてやり過ごす。考えてみれば初めて死のストックを使ったのは、昨日で2回目だ。
幼い頃、不治の病を患い、死亡し完治したらしい。
この世界では産まれた瞬間に大体の能力が診断される。
俺は死ぬと同時に、万全の状態に戻れるらしい。
告白されてストックが致命的だが…。
考え事をしてるうちに、もう給食の時間か。
牛乳を口に含む。「熱っ!」
クラスメイトの嫌がらせだろう。俺はブサ面+能力が可視化できないから舐められる。慣れたものだが。
「おい、あの子だれ?可愛くね?」
教室がザワつく。
入口に目をやると、昨日の女子高生がいた。
目が会った瞬間、俺に近づいてくる。
「昨日の現場にあなたの焼けた手型があった」
「あなた、他人の能力をコピーできるの?」
「他人を腐食させる能力者に会ったことはある?」
何なんだ、いきなり…。こんな事されたら、目立つし、何より俺はそんな能力持ってない。
クラスの連中の目線も集まり始めた。
「く、詳しい話は、屋上でしない?」
俺は苦笑いしながら、教室の出口に指を指した。