第91話 今の幼馴染み②
お待たせ致しましたー
俺は、ジェフ=リジェクター。
冒険者パーティー、『シリウスの風』のリーダーをしているBランク冒険者だ。
最近だが、数年ぶりに新メンバーを迎え入れた。
それは……俺の幼馴染みなんだが。
『いきなりですみません! 私を……加入させてください!!』
数年ぶりの再会だったが……幼馴染みだった、シェリー=ポンフリームが。俺に『久しぶり』と挨拶を交わした後に……頼み込んできたんだ。
俺は……正気か? とでも思った。
たしかに、風の噂で可愛い魔闘士となった情報は聞いてたが。まさか……俺らのパーティーに加わりたいといきなり言い出すとは思わず。
レイザーと顔を合わせ、どうするか悩んだが……奴の魔眼でも、俺のアークと契約で得た魔眼越しでも。
『ジェフと強くなりたい』
ガキん頃に、約束したことそのままを目標に抱いていた。
その気持ちがどういうのもわからない俺じゃないが。
だが、ほっとけなかった。
それだけの強さがあっても……俺と強くなりてぇと思うんなら。
少しのハンデである魔力不足はあっても……俺は受け入れようと決めた。
予想以上に美人さんになってっから、変なゴロツキ連中に引っかかって欲しくないのもあったが。
「今日はこのパンを使います!」
シェリーが加わって、数日。
実は、その魔力不足が解決する糸口が見つかっていたんだ。
レイザーの魔眼の呪いを解呪した、大精霊と契約している……世界初のポーションをパンで製造する錬金術師のような職人。
トラディスとシェリーとはタメの、ケントって坊主だ。
あいつの作るポーションパンを定期的に食えば、シェリーの魔力不足も治ると……シェリー自身が神からのアナウンスで受けたそうで。
今日も今日とて、この間買ったうちの一つで『いちご蒸しパン』と言うのを食ってから討伐に挑もうとしていた。
「わ! 可愛いね? いちごと……何が入っているんだろう?」
「店長さんは牛乳を煮詰めたソースを使っているって」
「へー? 美味しそう」
「トラディスさんもひと口食べます?」
「ダメだよ。シェリーさんの体質改善のためには、しっかり食べなきゃ」
……たしかに、シェリーとはタメだし。トラディスは俺の相棒と言っていいくらい、良いやつなんだが。
(近くねぇか……?)
メンバーがシェリーと仲が良いのはいいことなんだが!!
良いことでも……あんなにも可愛くなった幼馴染みと相棒が仲良くしてんのは、正直言って面白くねぇ。
その感情に、俺はすぐに名前をつけれるくらい……ここ数日で自覚出来た。
ガキん頃は、迎えにいくとか中途半端な思いでしか考えてなかったが。
今のシェリーを……俺は、再会して数日経った今。
完全に『惚れている』と自覚したんだ。
「……さっさと言えよ、バカジェフ」
後ろから見ていたレイザーにもすぐにバレて、軽く殴られるくらい……酷い顔をしてたんだろう。
とりあえず、『ああ』と答えておいた。
次回はまた明日〜




