第740話 マブダチのためにも
急遽決まった、マブダチの誕生日パーティーと合わせて成人の儀。
儀式については、簡略化とは言え祝う人間が多いから大丈夫なんだが……問題はパーティーの方。
料理についてじゃない。立食形式にして豪勢なもんにするくらい考えることは俺だってあいつの
ことを思えば行き着く。
そうじゃなくて、『贈り物』について、現状では簡単に用意出来ないのが問題だった。
「んで、俺らでなんとかしようってか?」
レイザーを呼んだが、自分でも似た考えに行き着いたのかで首をひねりそうな勢いだった。こいつは前に、ケントへ『守護の指輪』を渡したがそれは謝礼込みの報酬だったから意味合いが違う。
今回は純粋にケントの二十歳の誕生日の祝いだからな……。後日になるとしても、今日だけでなにか用意出来るか聞くだけ聞いてみたかったんだが。この調子だと難しそうだ。
「街中ならともかく、山間だしよー」
「場所が悪いわけじゃねぇが、慰安の意味ではプレゼントとして既に渡しているしな?」
「それじゃ意味ない」
「だよな?」
「「んん~~」」
ここにトラヴィスとジェフがいても似た返答が来るだろうから、あいつらには同席させていない。それに、シェリーにはエリーの方を落ち着かせてやりたかったから、余計に人数を増やさないようにした。
恋人の誕生日を知らずに、ここ一年近く過ごしていたというショックを和らげるのにはシェリーが居た方がいいしな??
「じゃあ、一品だけ自分たちで調理しねぇか?」
「ほ?」
レイザーが面白い提案をしてくれたんで、俺はすぐに食いついた。
「途中まで料理人らに頼んで、ケーキの仕上げというもんしてみるのはどうだ?」
「いいな。人数多くても、それはそれで個性が出るし!」
「んじゃ、ヴィンクスとかも呼ぶか」
と言って、説明しようとしたらヴィンクスからさらに提案が出たんだ。
「私開発の『ベーキングパウダー』をいうものでケーキの膨らみをよくするものがあります。それで、普段食べている『ホットケーキ』を土台にすれば……わざわざ料理人たちにケーキの土台を頼まなくても自分たちで仕上げを出来ますが」
「おっもしれ!! 教えてくれ!!」
「レイア。ここは夫婦で仕事を請け負おう」
「はい、わかりました」
ということで、ホイップクリームとやらは残りの面子とかで協力して作り。
果物は女らが選別してカットしたりして。
仕上げはヴィンクスが主体となり、なるべく崩れないように……けど、『高く』を意識しながら積み上げていけば。
なんか見覚えのある『ケーキ』が出来上がってしまった。
「……これ、ウェディングケーキに似てない?」
「これがそういうものなの?」
「ロイズさんたちのと見た目似てるのよ」
「それを意識したわけではないが、ホットケーキが土台だとこの方が作りやすい」
「「なるほど」」
味見は余った生地とクリームで食ってみたがそれなりに美味いもんだった。
さあ、準備が整ったということでジェイクが部屋へ飛んで行ってくれたぜ!!
次回は水曜日〜




