第62話 次のポーションパン④
お待たせ致しましたー
材料が全部揃ったら……ミキサーを使わずに、全部泡立て器で材料を混ぜていく。
ラティストは最初もたついていたけど……カウルが触手で頑張っているのに触発されたのか、力強く混ぜていくのがおかしかった。
とりあえず、全部混ぜた生地はパンじゃなくてゆるーいケーキの生地のようなもの。
これを……オープンキッチンの中に常備されていた紙カップ……マフィンカップがあったので、そこに手分けして流し込んでいく!
あとは、カウルの電気釜で秒で焼き上げれば!!
「出来た!!」
チョコ、プレーン、キャラメルのマフィンの完成だ!!
これもポーションとしての効能があるのか……すぐにステータスが出てきたけど。
【『あんまい、マフィン』
おめでとうございます!
・体力回復大
・切り傷擦り傷完治
・魔力回復大
以上の効能を持つポーションパンとなりました
】
と、初期の頃と似たようなステータスになっていた!?
一部、効果は高いけど……まあ、エリクサーレベル手前だから大丈夫だと思う。
これなら、ロイズさんに提案しても商品化出来るはずだ!!
「……良い香りだな」
この効果程度になったのも、ラティストがイケメン神様を説得してくれたお陰だものね?
僕はすぐに御礼を言うと、
「……大したことはしてない。主が困っているのは見たくないからな?」
さりげないイケメン発言をいただけました。
「ありがと。とりあえず、仕込みも終わったし、コーヒーで食べよう?」
「……淹れよう」
「あっしもお手伝いするでやんすよ!」
あとは、開店前までのんびりだから……ちょっとしたティーブレイクも出来るんだよね?
お店を開く前からの、大事な習慣だ。
ただ、この日は裏口からお客さんがいらっしゃったので、カップの追加があったけど。
「んまあ! 可愛らしいお菓子〜!!」
冒険者ギルドのギルドマスターさんこと、ルゥさんが朝早いのに訪ねて来たのだ。
ルゥさんは、僕らが食べようとしていたマフィンを見て感動してくれたんだよね?
「マフィンと言います。こちらもポーションパンになったので、午後にロイズさんのところに持っていこうと」
「そうなのぉ? あたしも食べていいの〜?」
「もちろんですよ」
お客さんは大歓迎だからね。
あのぶちゃいくなおじさん貴族とかは勘弁してほしいけど……。
「ありがと〜!! ケントちゃんに、今日はレイザーちゃんから……ちょっとした報酬を預かってきたのよー?」
と言って、亜空間収納から出したらしい……黒光りの小さな小箱を、僕に差し出してくれたのだ。
開けてみると……金ピカの指輪。ラティストの目より明るいルビー色の石もはまっていてカッコよかった!!
次回はまた明日〜




