第583話 神からの対策手段
お待たせ致しましたー
お土産ついでの、スインも携わったポーションパンを見てもらいながら……イケメン神様は話し出した。
『様子は見ていた。だが、我もあのスインという魔導具が何故意思などを持ち、ポーションパンをあのように出来るかは……正直言ってわかっていない』
「……神様が、スインを創ったわけではないんですか?」
『いいや、違う』
イケメン神様がゆっくりと首を左右に振った。
それについて、僕はこの神様なら色々知っているだろうと思っていたのに……これではどうしようもないじゃないか。
スインのために、一歩踏み出そうとしたがこれではゼロではないか!?
「……どうすれば」
『気分の浮き沈みで効能の度合いも違うとあったが……現状はそれしかわかっていない。普通の人間なら、それしかわからないが』
「え?」
『我は曲がりなりにも神だ。万能ではないにしても、対策を講じるのは出来なくない』
「お願い出来るんですか!?」
スインのために、是非それはお願いしたかった!
僕が聞けば、イケメン神様は首を縦に振ってくれた。
『選択肢はいくつかある。意思のある魔導具としてあることをケントは望むだろう。なら、それだけの存在にするのがひとつ。これは、魔素の付与だけを取り除く方法だ』
「……生きてるけど、ポーションパンを作らせないために?」
『そうだ。パン作りは出来てもケントとリトだけでポーションパンを可能にするだけにする』
「……他は?」
いくつかということは、まだ何かあるはず。
『二つ目は、魔力自体を取り除く。これを行うとケントの攻撃手段の能力が消えてしまう』
「……それは」
もともとマーベラスさんに、そのために作ってもらった魔導具だ。スインはそれを誇りに思うところはあるし……それは良くないかもしれない。
僕はそれについては首を横に振った。
『最後は、完全に意思を消すこと。攻撃手段は残るが、スインはいなくなるに等しい』
「それはイヤです」
それは一番あって欲しくないことだ。言われるだろうと思っていたけど、それは絶対拒否する。
スインはもう、僕らの仲間だ。家族と言ってもいいくらいのあの子を、亡くすことは絶対したくない!!
『……そうだろうな。とりあえず、我がすぐに対応出来る手段はこんなところだ。ヴィンクスが試みた封印する箇所は、魂の核ゆえに……魔力が足りなさ過ぎて、あの結果になったと思う』
「…………すぐに決めた方がいいですか?」
『いや。ラティストらとよく話し合ってほしい。どれかを実行すれば、元に戻すのは神の制約として我自身に負荷がかかる』
「……わかりました」
僕はお辞儀をしてから、ラティストに現実に戻るようにお願いして。
寝室で起き上がってから、カウルとラティストに神様が提案してくれた提案を話すことにした。
次回はまた明日〜




