第274話 関西弁の誰?
お待たせ致しましたー
「なんでなん!? 秘蔵っ子の弟子にしたって、陛下が大々的に承認した錬金術師なんやろ!? 減るもんちゃうやん!!」
「あなたが関わったら、陛下にどう言われるかわかっておいでのはずだが!?」
「……ちょっと、共同作業したいだけやで?」
「結構です!!」
お師匠さんの発言から推測するに。
ちょっと、面倒な相手なのかな?
でも……エディじゃないのに、敬語だから偉い人?
よーく聞くと、関西弁ぽい話し方だけど……リオーネからほとんど出ない僕だから、この世界の地理知らないんだよね?
お城へは魔法陣で瞬間移動しただけだから。
「ヴィンクス〜、もうダメだよ。ケント来たから」
「なに!?」
ジェイドが言わなきゃ、全然気づいていなかったらしい。
それほど必死になってたようだけど……関西弁の人もこっちに振り返ってきた。
声からなんとなくわかってたが、多分……男の人?
顔を見たら、『派手芸人』って言うくらいインパクトのある人。
僕と会いたいってところから聞いてたけど……なにの人だろう? エディのことも知っているようだし。
「……こんにちは、お師匠さん」
「…………何故、今来るんだ」
「……生産ギルド行って来て。帰りついでに新しいポーションパン持って来たので」
「なんなん!? ほんまにポーションをパンに出来るん!?」
関西弁の人のテンションが高い。
ポーションパンを作れるのは、僕やカウルの技術だけど……この人はどうやら、見たことも食べたこともない感じだ。
「……はじめまして、ケントです」
「ん? 家名ないん?」
「田舎から出たので」
お師匠さんと同じ、日本人で異世界出身だとは言えないけどね!? お師匠さんも言わないでおいてくれている。
「ほーん? ワレぇ、俺のこと知らんようやんな?」
「……お恥ずかしながら。リオーネにもまだ一年も住んでいないので」
「その割に、陛下から認められたんやろ?」
「……お忍びの時に、友達になってくださったので」
「…………友達?」
「ケントは陛下が公認された『マブダチ』です」
お師匠さんが付け加えてくれると……面白いくらい、関西弁の人の口があんぐり開いてしまった。
「マブ……ダチ?」
「……と言ってもらってます」
「マジ? ガチ?」
「……ガチです」
とりあえず、返事をしてみると……関西弁の人は、膝をついて『orz』の姿勢になった。本当に……行動までもが大阪とか芸人さんぽいなあ? 面白いけど。
「……ケント。この方はこんなナリだが、Sランクの鍛治師だ」
「……かじし?」
「武器防具を筆頭に、なんでも創造出来る。まあ、普段は私や陛下の古い友人だが」
「エディとも?」
「……愛称呼び。マジやん!?」
ただの芸人さんぽい人ではないようだ。
「Sランク鍛治師!? マーベラス=イコード氏!?」
後ろにいたエリーちゃんも、どうやら知っている人みたい?
「有名なの?」
「……Sランクは、陛下に認められないと称号を貰えないのよ。イコード氏は、先代国王に認められたらしいけど」
「……せやで」
エリーちゃんの説明があっても、僕自身が知らないのに……マーベラスさんは、端でのの字を書いてた。
次回はまた明日〜




