第259話 主が誇らしく
お待たせ致しましたー
すごいでやんす。
すごいでやんすよぉ!?
ケン兄さんの店……つまり、あっしらのポーションパン屋がでやんす!!
ヒーディア国の国王でいらっしゃったエディ兄さんにでやんすが。
王の認めた店として……これから、仕事が出来るでやんすよぉ!!
すごいことでやんすぅう!!
あっしは、ケン兄さんが気持ちよくポーションパンを作るお手伝いが出来れば嬉しいんで……本当に良かったでやんすよ。
前に、ラティスト兄さんとケン兄さんが契約した時に号泣してしまった……あの情け無い自分にはならないでやんす!
ケン兄さんは、ポーションパンを作る上で……あっしを必要としてくれるでやんすから!!
もう……あの森で、ひとりぼっちにさせられたはぐれスライムではないでやんす!!
あっしは……神からアナウンスをいただいて、ケン兄さんの役に立つスライムのカウルでやんすから!!
(けど、美味いでやんすねぇ)
今あっしらは、エディはんとご一緒に朝飯を食べさせてもらっているでやんす。
ケン兄さんの朝飯も美味いでやんすけど……これもこれでまた違うでやんす。
ケン兄さんは、前世の知識を活かして……色々作ってくれるでやんすけど、朝はあっさりが多いでやんすから。こう、こってり系は昼か夜以外だと久しぶりでやんすねぃ。
「陛下。ひとつ申し上げたいことが」
あっしらが飯に夢中になっていると、ギルハーツはんがエディはんに質問でやんした。
「なんだ?」
「……お忍びの件ですぞ」
「…………ダメか?」
「陛下……ご変装なられても、『風魔のエディ』が堂々と行かれるのはいかがなものかと」
「エディ、呼び名とかあったの?」
「数年前に、腕試しでワイバーンとか討伐したんだよ」
お強いでやんすねぇ、この国王様。
エリーはんとかもお強いでやんすけど……それ以上でやんすねぇ。ワイバーンとかって、あっしのレベルが到底追いつかない高ランク魔獣じゃないでやんすか。
「だから、悪い冒険者とかとケンカ出来たの?」
「あんなん、ゴミ以下」
「僕は無理だなあ?」
「……あの投げ技出来る君が言うか?」
「「なんのことだ?」」
「ケン兄さんの特技が?」
それは、気になるでやんすねぇ?
注目がエディはんから、ケン兄さんに全員変わったでやんすよぉ!
「え? え? ボールの投げ方が変わってるだけだよ?」
「「見たい!!」」
「えぇ? ラティストにお師匠さん?」
「うちの訓練場で、帰る前に軽くやるか?」
「……エディ」
「俺ももっかい見てぇ!」
「……陛下。私めの進言は」
「……時々はいいだろー?」
「頻度が多いのです!!」
「ちぇ」
国王は色々大変そうでやんすねぇ?
とりあえず、たっくさん食べてから訓練場と言うとこに行くことになったでやんすよー!!
次回はまた明日〜




