第251話 秘密お披露目
お待たせ致しましたー
「オープンキッチン!」
「へーんしん!!」
僕とカウルが、エディの部屋で同時に展開させていけば……いつもの業務用キッチンに加え、カウルのドウコンのご登場となったのだ。
「すっげ!? なんだこの魔導具達!!」
エディは、やっぱりこれくらいはしゃぐよなあ?
これは見せたけど……僕とかお師匠さんが日本からの転生者って言ったら、さらにややこしくなるので言わないでおこう。お師匠さんにも目配せされたし。
「……とりあえず、こう言う技能があるんで。僕らはポーションパンを作るのを可能にしています」
「いやいや、ケント!? こりゃ、異能だろぉ!!」
エディの目が、テーマパークではしゃぐ子供のようにしか見えないや。それはともかく。
「……このような場所で」
「……見たこともない魔導具ばかりですね」
「素晴らしいですわ……」
エディ以外も驚いていたけど……あっけらかんって感じだ。
まあ、それが普通の反応だよね?
「なあなあ、ケント! ここで今」
「なりませぬぞ、 陛下!」
エディが言い出しそうなことがわかったのか、ギルハーツさんが……またエディの首根っこ掴んで、端っこでお説教タイムを始めました。
なので、オープンキッチンとカウルを元に戻して……僕はカウルを抱っこしましたとも。
「……こんな感じです」
「いやはや……君もだが、エヴァンスが秘匿にする理由も納得だ。これらはおいそれと外には出せない代物だね」
「ご理解いただきありがとうございます」
「……しかし。この技術はそう簡単に、他の者への伝授が難しそうだ。エヴァンスでも無理なのだろう?」
「異能ですからね」
「君が師となったのは、保護のためか?」
「ロイズの発案ですが」
「なるほど」
ディルック様へも、ほとんどの秘密を打ち明けても……納得していただけて何より。
ルカリアちゃんもうんうんと頷いていた。
「わたくしも、口外しませんわ!」
「ありがとう」
ちょっとだけど……王族やお貴族様の味方が出来て嬉しい。
お師匠さんも言ってたけど……今回の勲章の件で、他の国のお貴族様がお店に来ないわけがない。
悪意のある人はラティストが追い払ってくれるけど……大精霊だからって、ラティストも万能じゃないもん。
ちゃんと……生きている存在だから。
そのラティストもだけど、カウルの凄さを知ったら……僕の店は潰されるだけですまないからね?
「……とりあえず。私達は帰らせていただいてもいいだろうか?」
お師匠さんが、ちょっとげんなりするくらい……ギルハーツさんのエディへのお説教はまだ続いていた。
すると、その声がエディの耳に届いたのか。
「今日だけは!! 城のゲストルームに泊まってくれ!!」
って、半泣きで僕に縋るから……つい、頷いてしまいました。
次回はまた明日〜




