第248話 王も虜②
お待たせ致しましたー
次に、薄皮あんぱん。
完全に透けてはいないけど……うっすら、あんこが見え隠れしているので、エディはウキウキで手に取ってくれた。
「お!? こっちはあんこぎっしりだなあ!?」
「そう言うあんぱんなんだ」
びっくりするよね?
パン生地は薄く、ギリギリまであんこたっぷりだから!
エディは迷わずにかぶりつき、顔を輝かせてくれたら……すかさず、コーヒー牛乳をひと口!!
「うんま!! これ、毎日の八つ時にもいいなあ」
「……太るよ?」
「執務以外に鍛錬もしてるぜ! ケントは全然だなあ?」
「うーん。たまたまかなあ?」
イケメン神様の特典か何かで、体質改善はされているだろうけど。
でぶっちょのパン屋の店長はカッコ悪いもんね?
「お前らも食えよ! めちゃくちゃ美味い!!」
「「「はっ」」」
ギルハーツさん達は、一応部下さん達だからかしこまるのはしょうがないもんね? エディはエディでも、僕慣れちゃったが、こっちの顔でもマブダチだって認識しちゃったから。
いつも通りでいられるんだよね?
で、皆さん別々のパンを手に取ったんだけど。
「この白っぽい、板は何ですの?」
ルカリアちゃんが、あんバターサンドを気にしてたみたい。
たしかに、普通じゃバターに見えないもんね?
「それはバターだよ? 生の」
「お……美味しいですの?」
「あんことすっごく合うんだ」
「……では」
女の子だから、軽くかじってくれて……すぐに、ポーション効果の光もだけど、顔もぱあってなった!
「どう?」
「素晴らしいですわ!! 甘くて……塩気もありますが、まろやかなバターと合わさると。とても美味しいですわ!!」
「普通のパンに、ジャムとバターを別でつけるのと似てるかな? 今回はあんこだけど」
「これが……豆ですの? とても美味しゅうございます」
「俺も食う!!」
で、エディはエディでがぶって平らげたけれど。
ほんとーに、こう言うとこは年相応の男の子だよなあ?
「まあ! 飲み物も……甘くて美味しいですわ! パンともよく合います!!」
ルカリアちゃんは、ちょっと元気になってくれて良かった。多分だけど……ラティストに片想いしてても、大精霊だから諦めた気がするんだよね?
シェリーさんが、ジェフさんとお付き合いするのに大変だったし。僕もエリーちゃんのことがあったし。
うまくいって欲しいけど……ラティストは食欲はともかく、恋愛には全然だからなあ? 今も薄皮あんぱん、爆食いしてるし!!
「……ラティスト食べ過ぎ!!」
契約者だから、僕がチョップして……ストップをかけました。
ジェイドは笑ってたけど……他の人はお口あんぐりしちゃった。
次回はまた明日〜




