第191話『フィッシュ&チップス』
お待たせ致しましたー
白身魚については……異世界だから、多種多様ではあるらしいけど。
一番人気は……『虹白魚』って種類。
皮は綺麗なレインボーカラーなのに……内側の身は、タラのような白身って言う不思議食材。
結構いいお値段するけど……ロイズさんが使ってくれって言ったから遠慮なく。
僕も、パーティー用にはこれを試作にしたかったのでありがたい。
まずは……皮と骨とかを外して、三枚おろしの要領で大きめの切り身にして。
鮮度の問題があれば塩や酒で臭み抜きにするけど……今日のは大丈夫なので、衣作りにも取りかかろう!
エール、小麦粉に片栗粉かコーンスターチ、塩とかを入れて……混ぜ合わせたのを、切り身にたっぷりまとわせて。
少し高めの油で、衣の揚がり具合と火の通し過ぎを注意したら……並行して、ラティストがカウルと揚げてくれてた皮付きポテトと一緒にお皿に盛り付け。
タルタルソース、塩、お酢の小皿を準備しちゃえば。
「出来ました! フィッシュ&チップスです!!」
異世界食材とコラボした、フィッシュ&チップスの完成だ!!
「……ほぉ? パン粉じゃねぇのか?」
ロイズさんは初めて見るので、率直な反応をしてくださいました。
「炭酸水でも出来なくはないんですが……異世界で言うところの『フライ』なんですけど、もうひとつ呼び名があって。この衣だと、薄い色合いなら『天ぷら』とも言います」
「……テンプラ?」
「お師匠さんだったら、すぐに食べたいと言い出す揚げ物料理です」
「呼んだか、ケント!!」
「美味しいものがある予感!!」
って、なんでギルドにお師匠さんとジェイドが居るんですか!!?
「……なんで、二人とも」
「納品があってだな! 受付にケント達が来ていると連絡があった!! ……何やら美味そうなものの予感がしたとジェイドが言ったのでな!!」
ジェイドは、恰好こそラティストのようにシンプルにしてるけど……爽やかイケメンが引き立って、ラティストに次ぐ……リオーネでの第二のアイドル化しています。
ラティストとは兄弟だとわかると……色々問い合わせが殺到になるからと秘密なのだ。お店にも堂々と来るので……仲が良いと僕へのお問い合わせも尋常じゃないんだもん!!
「ノックもせずに入んな!!」
「「でっ!?」」
そして、軽いお説教代わりにゲンコツが出来るのは……お師匠さんはともかく、ジェイドにも出来るだなんてこの人しかいないだろうね?
お師匠さんは撃沈……ジェイドは、半分痛そうに撫でていた。そこに……ラティストが思いっきりチョップをしたら。何か魔法でもかけられたのか、目を回しちゃったのです。
次回はまた明日〜




