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第168話 彼が好き

お待たせ致しましたー

 あたしが最初の勝者!!


 そして、選んだのは……当然。


 ケントが用意してくれたプレゼントよ!!


 だって……だって!


 あたし……ついさっき、気づいちゃったんだもの。



(……ケントが、好き)



 友達以上に……その、一人の男性として。


 下手すると、あたし以上に可愛い顔してるけど。


 ちょっとした時に、男らしい部分があるとか。


 誰にでも優しいけど……あたしと話す時、笑顔が絶えないとか。


 些細なことでも……ここ最近気にはなっていたんだけど。



『可愛いね!』



 あたしの今日の格好を……手放しに褒めてくれた。


 あれが……とどめだったのよね。



(……ケントが、好きだってちゃんと自覚したのは)



 前々から良い人だとは思ってたけど……あれはストレート過ぎたわ。


 冒険者として、そこそこ知名度のあるあたしを……普通の女と同じように接してくれるんだもん。


 ケントの方は……どうなんだろう。


 店だとラティスト目当てで群がるバカな女冒険者達は多いが……実は、ケント目当ても居たりして。だって、ケントは接客中も誰にも優しいから。


 でも……友達って関係だと、あたしが女だと一番じゃないかって。勘違いしそうになるけど……今は、そのケントが持ってきてくれたプレゼントを開けるのに集中することにしたわ。



「……わぁ」



 ひとつかと思ったら、いくつか紙袋が出てきた。


 ひとつは……明らかにパンが入っているような感じのもの。


 もうひとつは……手袋? 隙間から見えていたので、取り出したら真っ赤な手袋だったわ。質の良い毛糸で出来ていて……手触りがとても良かった。


 もうひとつは……ケントのパン屋から広めた、スタンプカード。


 全マス埋まっているのが二枚。



「えへへ。女の人が二人だけだけど、どっちかが当たって良いようにしてみました」



 振り返って、ケントを見れば……照れてほっぺを赤くしていた。


 好きってわかってから……改めて見ると、か、可愛く見えたわ!!



「ほぉ〜? あの手袋……手製か?」


「はい。毛糸はいいところのを購入して……かぎ針ですけど、僕が」


「あらぁ、器用ねぇ?」


「パン作りで手先が器用であるからな?」



 この手袋……ケントの手作り!?


 ロイズさんは、鑑定眼鏡作ったからわかったんでしょうけど……店で売っててもおかしくない仕上がりよ!?


 どこまで……ケントはなんでも出来るのかしら!?



(……女として、負けてる)



 料理もだけど……手芸もケントには完敗だ。


 あたしの器用さ加減じゃ……こんな逸品無理だもの。


 でも! ケントのプレゼントをもらえたのは嬉しいわ!!

次回はまた明日〜

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