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スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜  作者: 櫛田こころ


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第160話 異世界の雪

お待たせ致しましたー

 この世界には……具体的な『暦』がない。


 日にちの数え方……二、三日とか一ヶ月とかはあるんだけど。


 たとえば、何月何日とか……曜日も。


 だから……カレンダーと言うのも存在しない。


 季節は……日本と同じような四季があっても、ざっくりした分け方しかしてないようだ。


 だから……その日も。


 いきなり雪が降ってきたのに……驚きを隠せなかった。


 ただの雪じゃなかったんだもん!!



「……えぇえ??」



 雪、なんだけど。


 寒いなあって起きる時間に窓を開けたら……目に飛び込んできたのは、僕の知ってる『雪景色』じゃなかった。


 手のひらサイズの……三角錐の形をした雪っぽい塊が、ゆっくりと地面に落ちていくのだ。接触したら……普通の雪みたいになって、地面に広がっていくんだけど。


 魔法が普通に存在する世界だから……ここは、ファンタジーの世界だったんだって、納得は出来たが。



「……んん、寒」



 僕が驚いていると、後ろの方からラティストの色気満載な掠れ声が聴こえてきた。女の人には堪らないだろうが、僕は男! ホモでもゲイでもない!



「ラティストー、カウルぅ! 起きよ! 雪だよ!!」



 僕が声を掛けても……カウルは僕のベッドからもそもそ出てきたが、ラティストは嫌だと言わんばかりに布団にくるまっていた。



「起きる時間でやんすかぁ?」


「……………………寒い」


「ラティスト頑張って! 雪かきしなきゃ、お店営業出来ないから!!」



 既に、外にちらほらだけど……他の建物から、防寒着を着込んでいる人達が道具片手に雪かきしていたんだ。夜明け前とは言え……僕らも、仕込み前に頑張んないとお店を開けないと思う!


 雪かきは、前々からロイズさんとかに道具は買っておけと言わてたんでちゃんとあるよ?


 シャベルとか、それのもっと大きいのとか!


 ラティストは無理矢理起こして……服装も自分ではお着替え出来る魔法でもこもこのものにさせて。


 カウルに服は必要ないからスコップを持ってもらう。


 僕も冬服に着替えて……いざ、出陣!



「……………………寒い」



 外に出たら、またラティストが嫌そうな声を出しちゃった。人間じゃないのに、寒いのはダメなんだ?


 熱いとかでは、特に問題なく過ごしていたのに? カウルの電気オーブンからパンを出す時は汗ひとつかかないんだもん。



「……ラティスト。寒いのダメ?」


「…………基本的に、精霊の場では気候が温暖だからな」


「あ、それで?」


「あっしは大丈夫でやんすよー?」


「カウルは温度とか関係ない?」


「多少は感じるでやんすけど、兄さんらほどじゃないでやんすね?」



 とりあえず、雪かきだ!


 この世界には、排水溝とかがきちんとあるので……そこに入れないようにしなくちゃいけないのは、日本と同じかな?


 僕は生まれ育ちは都心から離れていたんで、ちょっとくらいの雪かきはしたことがあるんだ。こんなにも、大雪なのは初めてだーけーど!



「頑張ろう、ラティスト! 終わったら、オニオングラタンスープ作ってあげるから!!」


「! 美味そうな予感がする」


「チーズとパンがスープにひたひたになってて美味しいよ!!」



 コンソメスープだけは、朝ご飯用に仕込んでいたからね? チーズは仕込み用にたっぷり買ってあるし、バケットもちょっと余ったのがあった覚えが。



「あっしも頑張るでやんすよ!」


「排水溝には入れないでね? 数カ所に集めて……山のようにするんだけど」



 他の人達も似た感じだから……それでいいのかな?


 とにかく、積もってくる三角雪はゆっくり降ってくるから……あとで何回かに分けて雪かきしなきゃだけど。


 えっさほいさと、三人がかりでお店の玄関周りの雪をどかして行く。


 だけど……キリがないんだよね? 地面とかにぶつかったら、一気にポンと広がって行くんだもん。かいたとこから、どんどん積もってく!?



「……積もるでやんすねぇ?」


「ケントのスープが食えないではないか!?」



 ほんと、仕込みの時間も迫っているし。


 今日は……お店休業にした方がいいかな?

次回はまた明日〜

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