第110話『ふんわりフレンチトースト』
お待たせ致しましたー
フレンチトーストには、好みが色々ある。
甘くした卵液がしっかりしみたものとか。
ふんわりした焼き上がりのものとか。
甘味が本体にしっかり味付けされたものとか。
あとで、甘味を色々プラスしたものとか。
僕個人だと……全部にしたいけど。今回作るのはポーションパン屋としてのフレンチトーストだ。
ポーションとしての効能もだけど……美味しくて食べやすいフレンチトーストにしたい。
となれば、色々試すしかない!!
「まずは、王道!」
卵液に牛乳に砂糖、生クリームもプラスしたしみしみのフレンチトースト。
三十分くらいじっくり……厚切りスライスした食パンに染み込ませていく。
その間に、他の仕込みも忘れない。
王道の一枚で出来上がるものだけじゃなく、変わり種も作らなくちゃ。
「次は……コーヒーを使うよ!」
「「コーヒーを??」」
「カフェオレはわかるでしょう?」
「ああ」
「でやんす」
と言うか、ほぼ毎朝飲んでるもんね? 僕達。
「カフェオレベースの卵液にして……食パンスライスを二枚。間にこってりカスタードも使って焼くんだ」
「……どんな味になるんだ?」
ラティストの表情がどんどん輝いていくのが面白いよ!
カウルも、お目目を作ってキラキラさせていく!
「んふふ〜! ちょっと苦味が効いているのが癖になる、甘くて美味しいものになるよ!!」
「手伝うぞ!」
「あっしもでやんす!!」
「じゃ、コーヒー淹れよう!!」
この世界には、フリーズドライのインスタントコーヒーはないからね?
エリーちゃんやロイズさんに教わって、ドリップコーヒーは淹れれるようになりました!
たっぷり淹れて、半分は自分達用の水分補給用にして……コーヒー入りのカフェオレ卵液を作ったら、スライスした食パンに染み込ませ。
たっぷりのカスタードもだけど、途中で思いついたクリームチーズも加えて挟む!!
これを後で焼けば完成だ〜!!
「良い匂いでやんすね〜」
「……ああ、良い匂いだな」
僕が焼き始めると、横で見ていたカウルを抱っこしていたラティストが呟いていた。
たしかに、オーブンで焼く匂いとは別物だからね?
「じゃ、これで出来上がり」
バターとサラダ油でいい感じに焦げ目のついた……まずは王道のフレンチトースト。
黄色い表面に、メープルシロップもどきをたっぷりかければ!
【『メープルたっぷりふんわりフレンチトースト』
・切り傷、擦り傷完治
・関節症完治
・疲労回復大
以上の効能を持つポーションパンとなりました!
】
効能はまずまず。
問題は味だ。
ペティナイフで切り分けてから、爪楊枝に刺してラティスト達に渡してあげる。
「「いっただきまーす!!」」
「……いただこう」
で、パクッとひと口!
ふんわりしみしみで、甘々なフレンチトーストの出来上がりになっていた!!
次回はまた明日〜




