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7話 水面下

7話 水面下

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 どうも、マルシアです。

 掃除して、洗濯して、ご飯作って、

 私はメーンベルトでメイドの真似事をしています。


 初めから思っていたことですけど、犯罪組織って割にはいい人が多い気がします。

 まだ公爵令嬢だった頃に聞いた話とは大違いです。

 あの時は気の狂った殺人鬼集団だと思ってましたから。


 今でも思想にはあまり理解を示せませんが、そういう考え方をする人が多く存在していてその考え方をする人が何も悪い人ばかりではないということだけは流石にわかっています。

 まぁ、悪い人ではないと言っても、犯罪組織とわかってながら入る時点で私も含め皆の気は触れてしまっているのでしょうが……


「おはよう、マルシアちゃん」


「おはようございます」


 人間関係も良好、だいぶ打ち解けてこれましたね。


 メーンベルトの王政打倒の作戦計画や私がどのように動けば目的を達成できるかの調査の方はあまり進んでいませんが、それはおいおいやればいいことです。

 まず、信頼されなければなりません。


 いい組織に見えても、犯罪組織です。

 私が学園で聞いた評判が一側面でないとこは今は理解していますが、あれが貴族たちから見た事実存在する側面であることも本当です。

 殺しに躊躇いのない人々なのです。

 そして、私は元とはいえその側面が向けられる側に属していた人間です。

 まだ、疑われる様な行動は避けたいのです。


「きみが、マルシアさんでいいのかな」


「はい」


 誰でしょうか?

 見慣れない男性です。

 流石にこの支部の全員のことを把握しているわけではありませんが、それでも人間関係にはかなり気を使っています。

 全く見覚えがないというのは新人以外ではそうそうないと自負していたのですが。


 随分と身だしなみのしっかりした人です。

 ここは貴族の世界ではないので、皆清潔ではあるのですが身だしなみという点については少し無頓着な人が多いように感じます。

 だからこそ見ればそれなりの特徴として忘れることはないと思いたいのですが。


「ガレアッツォ様!? どうしてこちらに」


「ちょっと、用事があってね」

「マルシアさん、少し時間いいかな?」


 普段誰に対しても気さくなおじさんがかなり驚いています。

 私も驚きです。

 元公爵令嬢だというのを知っていて私をちゃん付けしてくるかなり図太いおじさんなので。


 やっぱり、メーンベルトのお偉いさんということでいいのでしょうか?

 それが私に用事ですか。

 あまりいい予感はしませんね。


 受け入れて直後のタイミングでのお偉いさんからの用事ですか。

 やっぱり受け入れられないとかの話ではないといいのですけど。

 私だけではなくサクラの立場も怪しくなってしまいますし。


 でも、それ以外だと特に思い当たらないですね。


 この組織のことを調べると言ってもまだ実行にも移していないわけですし、実際貴族に対する恨みなどがどの程度組織として持っているかとか、元貴族に対する個人ではなく組織としての考え方なんてのに関しては無知もいいところです。

 ただ、少なくともこの支部に関しては私に寛容でいてくれている様ですが。


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「ここでいいかな」


「失礼します」


 案内されたのは皆があまり近づかない施設の端の方の倉庫でした。


 なぜこんなところに?

 ここ数日で掃除に来たことすらありません。

 当たり前に埃っぽい空気が充満しています。


 しかも、お偉いさんが護衛も付けずに私と2人っきりになるなんて……

 メーンベルト的に私は少なくとも元敵、思想によっては現在進行形で敵なのですが。

 やっぱり元は敵認定しないのか、女でさらに子供だから舐められているのか、この男が自分の腕に自信があるのか……


「お嬢様、お疲れ様です」


 入ると、サクラがいました。

 サクラのメイド服姿久しぶりに見た気がします。

 ここではあまりメイドの格好をしないのよね。

 私が婚約破棄されたパーティーの直前以来でしょうか?


 それにしても、サクラがいるということはやはり私の出生に関わる話でしょうか。

 良くてもその貴族の血を生かして貴族を狩れとか、そっち方面の話になりそうです。

 私はここの尖兵になる気はないのですが……


 サクラはあまりこの男に緊張している様子がありませんね

 真っ先に私に挨拶したし、この男のことを知らないのでしょうか?


 いえ、それは……どうなんでしょう?

 話に同席させるのに内容を話してないなんてことあり得るのでしょうか。

 サクラは私を無断でこの支部に連れてきたわけで、事前に話すわけにはいかなかったとか?


「改めまして、マルシア・グベッリーニさん。私はメーンベルト秘書長をやらせてもらっているガレアッツォと申します」


「ガレアッツォさんですね」

「メーンベルトにはお世話になりっぱなしで」


 グベッリーニまで言ってきたってことは、やはりそういうことなのでしょうか?

 しかし、サクラが反応していませんね。

 以前は過剰反応していたのに。


 サクラは事前にある程度話を聞いているのでしょうか?

 その上でおとなしいのだとすれば、最悪はないと判断してもいいですかね。


「いえ、エフェーリネからはよく働いていると聞いていますよ」


「お役に立てているのなら何よりです」


「さて、早速本題なのですが貴女に力を貸してほしい」


 やっぱり


「我々の旗印、組織のトップとして」


 ……え?

感想、評価、なんでもいいので反応もらえると嬉しいです。

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