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1話 婚約破棄

1話 婚約破棄

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 私、公爵令嬢。

 名前はマルシアって言うの。

 王子様、カローイ第二王子の婚約者なんだ。

 でもね、王子様を庶民の女に寝取られちゃったの。

 そしてね、公爵家を勘当されちゃった。


「あは? アハハ! アヒャヒャヒャヒャ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「まだかしら?」


「申し訳ございません。もう少々お時間を、お嬢様に恥をかかせるわけにはいきませんので」


「あなたの腕は素晴らしいけれど、完璧主義すぎるところは少し欠点かしらね」


「メイドですから」


「ふふ、何それ」


 今日はカローイ様、この国第二王子にして私の婚約者の誕生日パーティーです。

 カローイ様は今日で15歳の節目を迎え、子供から大人になる大切なパーティーなの。

 だから、私も綺麗なドレスで着飾って盛大に祝ってあげないといけません。

 私の愛しの人、その記念すべき日を。


 まだ、魔法学園の卒業まで時間はあるけど、でもカローイ様はもう立派な大人になるのよね。

 私も早く大人になりたいわ。

 そうすれば、ふふ


 子供は何人ほしいかしら?

 男の子は最低でも3人は欲しいし、女の子はいればいるだけいいわね。

 きっと側室も取るでしょうけど、でも私もたくさん産みたいわ。

 カローイ様との愛の結晶を。


 それに、きっとあの子の子供は……


 あの子は庶民だけど魔法の腕はピカイチだし、カローイ様がそう言う時期になることには周りも認めざるを得なくなってるでしょう。

 でも、血はそうもいかないし、そもそも価値観も私とは大きく違うから。

 きっと彼女は、カローイ様を飾り付ける美しい宝石になるよりも隣に立って共に戦場へ行くことでも望むんじゃないかしら?

 まぁ、それでいいわよね。


 だって、そうすれば私たちは3人ずっと一緒に居られるのだから。


 そろそろかな?

 カローイ様登場のお時間ね。

 主役は最後に、派手にいかないといけないもの。

 迎えは私、今夜は綺麗な宝石となって彼を飾り付けるの。

 だって、婚約者ですもの。


「マルシア様はこちらでお待ちください」


「え、どういうことですか?」


 パーティー会場から一旦離れ、カローイ様を迎えに行こうとしたところメイドに止められてしまいました。


 何かあったのでしょうか?

 大きなトラブルなどでないと良いのですけれど。

 

 ドアがゆっくりと開かれました。


 カローイ様です。

 よかった、何か怪我でもしたのではないかと心配で心配で。


 とても豪華なお召し物、それに負けないカローイ様、その相まりはとても美しく幻想的で、先ほどまで喧騒に飲まれていたパーティー会場は一瞬でそのカローイ様の雰囲気に染め上げられました。


 さすがです、カローイ様。


 ……え?


 カローイ様はゆっくりと階段を降りてきます。


 女性を伴って、

 私ではない、別の女性を連れて……


「私の生誕のパーティーにご出席いただいた皆様、誠にありがとうございます。僭越ながら、パーティーのプログラムを一部変更させていただくことをお許しください」


 ……カローイ様?


「時間はそれほどいただきません」

「私、カローイ・サラーティはマルシア・グベッリーニとの婚約を破棄することをここに宣言させていただきます」


 婚約を、破棄する?


 一体何を言っておられるのですか?

 何で、ですか?

 私には分かりません。

 そう言ってる理由も、その意味も。

 私が何か、不興を買うようなことをしてしまったのでしょうか。


 カローイ様の目を見てハッとしました。

 その目は何も写していませんでした。

 国の未来を語り、私たちの未来を語り、キラキラと輝いていた瞳はひどく濁ってしまっていました。


 そして、そう宣言するカローイ様その隣には腕を組み幸せそうな笑みを浮かべた女の姿がありました。


 フローラ!?


 なんで?

 どうして?

 だって、貴女は


 ……


 ゆる、せない。

 許せない。

 決して許してはいけない。


 よくしてやったのに、

 魔法学園に来て右も左もわからないあんたを、

 庶民のくせにと虐められていたあんたを、

 気にかけてやったのに。


 貴女が、カローイ様を、

 一体何をしたの?

 あの濁ってしまった瞳は何?

 一体何があったの?

 貴女は!!


 ……


 私は、広間を飛び出しました。


 とにかくそんな光景を見ていたくなんてなくて。


 濁ってしまったカローイ様の瞳を、

 笑みを浮かべたフローラの顔を、

 見ていたくなんてなくて。


 とにかくお父様に相談しなければ……


 走ったりなんかしたら、せっかく整えてもらった髪も今日のためにあつらえて貰ったドレスも台無しになってしまいますね。

 後で謝らないとです。

 でも、わかってねサクラ。

 だって、仕方なかったのだもの。


 こんな時に私、何考えてるのかしら。

 大丈夫、お父様ならきっとおかしくなってしまったカローイ様を何とかしてくれます。


 フローラ、だって……


 そう、彼女も魔女に操られてしまったの。

 悪い魔女に。

 彼女が、私からカローイ様を奪っていくなんてそんなことある訳ないもの。

 そうに決まってるわ。


 彼女の笑みを振り払うように、

 別に考えないようにしているわけではありません。

 ええ、そうです。

 私はまともです。

 ただ、単純に考えて王子を操ってしまう様な魔女ならフローラが操られてもおかしくはないという話をしているだけです。

 

 だから、信じていいのよね?

 私に友達を疑わせないでよ、フローラ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「マルシア貴様! 王子の不興を買い、ましてや婚約を破棄されるとはなんたる様か」


 え?


「貴様など我が娘でもなんでもない、このグベッリーニ家の恥晒しめ」

「グベッリーニ公爵家から勘当する!!」


 ……おとう、さま?

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