最終話
隠れ里には少年少女だらけとなった。もちろん畑もあり自分たちで耕す。少年少女は決して働くことが嫌いというわけではない。
短時間労働したら思いっきり遊ぶ。遊びも独特であった。玩具に魔石を付けて飛ばし天人を攻撃するのだ。
そう、自分たちの手で追い返すのである。
「みてみな。この操作箱でおもちゃを浮かして動かす」
操作箱には十字のボタンと二つの丸ボタンが付いていた。練習は遊戯感覚で少年少女はどんどん上達した。
そしてその時はやってきた。少年少女たちが反乱を超す時が。雨神が雨を降らし、瓜子姫が虹を作る。
結界を作り逆に天界に封印されてしまうのだ。従わない場合はおもちゃで攻撃する。玩具と言ってももはや立派な武器であるが。
いくら天人といっても無人兵器となったおもちゃに天人は勝てなかった。束縛され、虹の向こうの天界に押し戻す。全員の天人を束縛し封印すると瓜子姫は呪歌を歌いだした。
するとどんどん虹が消えていく!! そして虹が消えた!
「やった!!」
「まだだ、まだ敵はいるぞ」
「えっ!?」
「それは君たちの親だよ」
「あっ……」
「僕たちは右向け右と言って全員が右を向く社会なんてごめんだということ」
「子供には遊ぶ権利が、それも60分などという決められた時間じゃなくて責任もって遊ぶ権利があるんだと言わないと悲劇が繰り返される!!」
「そうだ!」
「「そうだ!」」
少年少女たちは次々声を上げた。そして一人人親を説得して回った。それだけではなかった。おもちゃを作ればおもちゃを売って利益にすることも出来る。
遊びから新しいものが受かれるという事を。親はしぶしぶ認めた。
「終わったな」
「雨神、瓜子姫、空界を作ってここ讃岐の国を監視してさらに国を作るぞ」
「はい!」
こうして三人の鬼は空へ飛び立ち、讃岐の国の子供たちを今でも守っているのだという。また虹がすぐ消えるのは以来天邪鬼の仕業と言われるようになったとさ。
=終=




