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第一話
讃岐の地は乳児以外働くようになった。たしかに国は豊かになって行った。だが勉学・労働する者以外は容赦なく天人による罰が下った。
子どもは慣れない労働で体を壊すようになったり情緒不安定となった。働けなくなった子は子捨てされた。
情緒不安な子が増えたためそれでは労働力にならぬと一刻(六十分)は遊びを許されることとなったがそれでも子供たちは荒れた。隠れ蓑で姿を隠しながらこの様子を見ていた天邪鬼のエハは歯ぎしりしていた。
単にこの地を侵略しただけでなく、子供を虐待したからである。エハは緊急で天邪鬼の秘密の村を作るのと同じ方法で子供たちに秘密の村を作った。そこで結界の石を渡してこっそり遊ばせることにしたのだ。
「ほら、ここなら思う存分遊べるぞ」
「遊び道具もある」
子どもたちはまるで生き返ったかのように遊んだ。エハに賛同する天邪鬼もどんどん集まり室内遊戯も出来るようになった。天邪鬼にとって妖力を使えば家屋を作ることぐらいどうってことはない。
しかも、遊び道具を作る工場も生まれた。




