解説
一.大分の「鬼九十九段伝承」の特徴
大分に存在する鬼九十九段伝承は他の地域と違い朝と見せかけて鶏の声を真似た神のせいで退散するのではなく、消滅するという鬼にとって過酷な話になってます。別府の八幡竈門神社はそこまで苛烈ではありませんが近所に似たような伝承が残っています。つまり国見半島から一歩外を出ると九州と言う地は鬼にとって大変厳しい目を向けられていた地と言うことが分かります。国見半島の鬼も別府・八幡竈門神社も「人を喰いたい」と言う鬼の願いに対する試練です。竈門神社は大宰府の鬼門を守る神社が本社なので、特に鬼には厳しいのかもしれません。
二.鬼八法師伝説の特徴
鬼八法師の特徴は一度バラバラにされた体がくっつくというのが特徴です。この部分は他の地域の鬼と違い相当強力な部分であるので採用に至りました。
三.国見半島の鬼たち
国見半島の鬼はご先祖様は鬼の姿となって天下って来て子孫に祝福をもたらすという部分に特徴があります。それだけでなく修業を申し込む仏教僧に試練と技を与えたという部分にほかの地域では見られない特色を持っています。なぜそんな元人間の心やさしい鬼が人間を喰いたいと願ったのか。そこは解説されてないので創作に至りました。
四.赤村啓介はなぜ一年で強くなれたのか?
鬼たちが襲った村は修験道で有名な英彦山のふもとです。英彦山にも天狗がいるとされ人間に厳しい修業を与えます。なお天狗に害をなす者は容赦なく害します。赤村啓介は天狗のもとで修業したのでしょう。そして一年経ってます。ということは弟は鬼になっても兄を食うことは無かったということになります。




