表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瓜子姫と天邪鬼の冒険譚  作者: らんた
ウーフメ物語
62/122

第三話

 三日後必死に織っているウーフメを見てたまには芝居小屋に行こうと両親が誘った。なんていい生活なのだろう。ウーフメに化けたニメは喜んだ。しかし芝居小屋への道のりはあのウーフメを縛り上げた柿の木があるところだった。


 (やばい。見つかってしまう)


 やがて柿の木に差し掛かった。


 「お父さん、おかああさん。ここだけは目をつぶって通ってくださいな」


 (はて、この子は不思議な事を言うもんじゃのお?)


 どうしてもとせがむウーフメに根負けした両親は分かった、分かったとばかりに目をつぶる。

 ウーフメことウメはもう三日も縛られており死んでいた。ニメはひやひやしながら上を見ながら両親の腕を繋ぎながら歩く。

 その時突然ウーフメの目から大量の血が流れた。


 ――ぽたっ、ぽたっ!


 血は両親の顔に付き、両親は思わず血を飲んでしまった。見上げるとそこにはウーフメの死体があった。


 「お前は偽物じゃな!」


 「ちっ!ばれたか!!」


 そういうと呪文を唱え本性を現すニメ。だが驚いたのは老夫婦の姿だった。めきめきと筋肉は盛り上がり目が赤く染まり爪と牙と角が伸びる。

 ニメは鬼の力でその場を逃げ出すもあっという間に捕まる。


 「来い!鬼よ、成敗してやる」


 鈍い音が木霊しニメの悲鳴があがる。腕を折られた。

 こうして家に連れ戻されるとニメは老夫婦の持った鉈で細かく刻まれ肉を川に流した。

 すべてが終わると老夫婦の体が元に戻った。


 「ウーフメ!!」


 老夫婦はその場で慟哭した。老夫婦は泣きながらウーフメが釣られている樹に戻り、ウーフメを降ろし家に戻って静かに寝かせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ