第二話
老夫婦が農作業に出たのを確認してニメはウーフメに「遊ぼう」と声をかける。しかし「忙しいの」という声が帰ってくる。ニメはさっそく催眠術をかけるも相手も鬼。なかなか催眠術が通じない。そこで老夫婦にひそかに催眠術をかけてから再度「遊ぼう」と声をかける。
「ウーフメや、たまには子供らしく遊びなさい」
「そうよ、仕事ばかりじゃ歪んだ大人になってしまうわ」
両親がそこまで言うのならと戸を開ける。そこには可憐な少女がいた。
「ウーフメ、一緒にあそぼう!」
こうして二人は外で遊ぶようになった。最初はお互い警戒心を持っていたので大した遊びをしなかった。警戒心がほぐれるのに一月掛かった。
やがてニメは柿の木に上って柿の木をウーフメに渡す。ウーフメは柿から生まれたからなのか食べる気がしない。むしろ吐き気がする。でもせっかくの友人の誘いなので「これは虫が付いてるから」、「これはまだ青いから」と言って丁重に断った。
ニメはとうとう切れて本性を現した。呪文を唱えるとニメの周りが渦巻き渦が消えたかと思うとそこには鬼の女の子が居たのであった。
「逆賊ウメ、お前を成敗する!」
そういって呪文で闇の縄を出してウーフメを縛り上げる。
ニメはウーフメの着物を剥ぎとりそのまま柿の木に縛り上げたまま放置した。
(僕だっていい生活したいんだ!)
こうして催眠術にかかったままの老夫婦の元に帰ってニメはウーフメとして暮らすことにした。
極上のご飯、極上のお風呂……。そしてふかふかのふとん。なにもかもが最高だった。




