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第二話
二人は鬼の村に入った。村は結界に守られているので結界石が無いと入れない。瓜子姫はゲスト用の石で入った。
「カナお前人間連れて来たんかい」
「王女なんだからもっと自覚持ってよ」
「え? 王女……?」
「ごめん、そう……なんだ」
「『僕』とか言ってるからてっきり少年かと」
「女が『僕』って言っちゃいけないのか」
その声はちょっと怒ってる声だった。
「そ……そんなことないわ」
そして王の前に来た。
「カナ、その子が」
「はい、瓜から生まれたそうです」
「そして、これが瓜子姫の織物」
「たしかに、これは力を感じる」
「え?」
「小さな傷なら癒える」
「瓜子姫、君は凄いんだ」
「だから君の噂を聞いた時、ぜひ会いたいと思って」
「おお、これは失礼。私の名前はクナ」
「この筑後の国の天邪鬼の王」
「そして餓死した子供を見守る王」
「え?」
「お盆の時にあえなく餓死した子を1日だけ親に合わせる」
「すごい!」
「見たい?」




