第一話
瓜子姫は洞窟の中を歩いていた。周りは亡者だ。
「うわっ!! すごい顔!!」
「近寄って来ないで!!」
たぶん撲殺されたときのままの顔なのだろう
(無様だ……)
「はい、ここが渡し船の乗り場ね」
(なんか案内人が居る。思ってたのと印象違うな)
「君は四番」
「君は六番の門」
光を当てると色が変わる。色で判断してるようだ。羅刹と思わしき案内人が瓜子姫に光を当てる。
「お! 君はたぶん不起訴処分だ」
「不起訴?」
「閻魔の裁きを受けなくて済むってことさ」
「不起訴の場合は俺たち獄卒の羅刹官に正式に言い渡されるから」
「はい、この札をもって。この先に行ってね」
「はい、次の方~」
◆◇◆◇
一気に人の数が減った。綺麗な神殿が見えてきた。あでやかな朱色だ。
「木札見せて」
瓜子姫は木札を見せた。
「はい、不起訴の可能性がある人だね。こちらへ」
木札をタッチすると門が開いた。
「じゃあ六五番ね。呼ばれるまでこの椅子で座って」
木札に六五の文字が浮かんだ。
「はい……」
周りは亡者だ。結構凄惨な殺され方をした人が多い。
待つ事二時間……
「六五番さ~ん。瓜子姫さ~ん」
「はい!」
「一五番の部屋にどうぞ」
獄卒が案内する。




