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瓜子姫と天邪鬼の冒険譚  作者: らんた
脚絆織上手の瓜子姫
102/122

最終話

 一週間瓜子姫の隣の部屋同士で一論なことを話した。そして一週間後やっと家に帰れることになった。


 「お前の両親にもこっそり治療薬を打っておいた、もう大丈夫だろう」


 「ありがとうございます」


 「呪文を唱えたら金子神社に戻る。いいな」


 「はい」


 すると二人の周りに闇色の渦が巻き消えた。気が付くと金子神社の境内にいた。突然現れた2人に驚く境内に居た人たち


 「鬼だ~」


 人が逃げまどう。


 (しまった!角隠すの忘れてた!)


 慌てて頭巾を付けるソル。こうして今度こそ瓜子姫とのお別れがやってきた。


「達者でな」


「……」


 無言のまま家に戻る瓜子姫。そして家を後にするソル。だが。足音がする。それも三人の。


 「ソル!」


 「私……」


 「お前が人さらいのソルか!」


 「絶対に我が子を渡さないわ!」


 「おとうさん。私本気なの。私、ソルと一緒に暮らしたい!」


 「人と鬼が結ばれるなんて絶対に許さん!」


 「鬼退治だ!」


 そう言いだすと短刀を向ける二人。


 「ごめんよ」


 そう言うとソルは疾風の速さで二人の手を足を蹴った。


 「ぐぎゃあああ!」


 「全治一か月ってとこだな」


 「瓜子姫、俺は君の両親も害する人間だ。それでも一緒になるか。俺は邪悪な鬼だ!ついてきたら後悔するぞ!」


 (どうして……どうして正直に言えない!)


 しかし瓜子姫は……。


 「それでも、あなたは邪悪じゃない。私はあなたと……結ばれたいんです」


 そういって抱きしめる。


 「ばかやろう! ……後悔させてやる」


 「ええ」


 「行くぞ、大宮に」


 「はい!」


 こうして大宮の鬼ヶ島に戻った二人は町中の人々を驚かせました。


 しかし、周りの鬼は瓜子姫にやさしく接し、そして王宮で盛大な式を挙げ二人は幸せに暮らしたとさ。


 ところで伝わってる伝承は嘘の伝承。


 「俺は天邪鬼だ。邪悪な鬼じゃないとな」


 「本当、あなたってあべこべの天邪鬼ね」


 瓜子姫が抱いているのはカル。二人の子供だった。


 こうして瓜子姫が作った脚絆は江戸にも伝わり後世に「江戸脚絆」と呼ばれる江戸時代の庶民の一般的な脚絆として流通したんだとさ。


<めでたし めでたし>


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