表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瓜子姫と天邪鬼の冒険譚  作者: らんた
脚絆織上手の瓜子姫
100/122

第四話

 翌日門客神の謁見を二人は願い出た。許可はすんなりと降り、そして謁見の間に通された。長身の天邪鬼の王が玉座に居た。


 「ソルよ、誠にご苦労であった」


 「はっ!」


 「これはそなたが織った脚絆か」


 「はい」


 たしかにそれは瓜子姫が織った脚絆であった。


 「すばらしい。実にいい出来だ。だが、紐の部分が弱いな」


 「申し訳ありません」


 「そこでだ。この紐を使ってみてほしいのだ」


 瓜子姫が触ってみるとまるで絹糸のようにしなやか。それでいてまるで鉄のような丈夫さを持っていた。


 「そなたの脚絆の糸を抜いてこの糸で脚絆を結んでみなさい」


 言われる通りにしてみた。すると……。より摩擦が無くなり紐もしっかりと結べた。


 「紐の強度が増せば理想的な脚絆になる」


 「これを贈物として授けようと思うのだ」


 「はい、ありがとうございます」


 「しばらくはここから紐を供給する。普及したら人間にこの紐の作り方を教えるぞ」


 「ありがとうございます」


 「よかったな、瓜子姫」


 「うん」


 「さ、君の親も心配してるだろうし帰りなさい」


 「はい!」


 こうして瓜子姫とソルは帰路に入った。指扇まで行き、そこから船に。そして入間に戻った。だが入間に戻ると様子がおかしい。咳してるものが多いのだ。


 「なんか変よ?」


 道行く人が咳している。


 そして……。


 瓜子姫は咳をし始めた。


「大丈夫か? 君の家はすぐそこだ」


 家が見えてきた。君の両親に顔を合わせるのは厳禁なんだ。ちょっと見て来てくれないか。瓜子姫は走って自分の家に戻った。そこには老夫婦が伏せていた。慌ててソルのところに戻った。


 「た、たいへん。おとうとおかあが!」


 「あれ?」


 「瓜子姫?」


 なんと瓜子姫が倒れてしまった。


 「瓜子姫? 瓜子姫!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ