第四話
翌日門客神の謁見を二人は願い出た。許可はすんなりと降り、そして謁見の間に通された。長身の天邪鬼の王が玉座に居た。
「ソルよ、誠にご苦労であった」
「はっ!」
「これはそなたが織った脚絆か」
「はい」
たしかにそれは瓜子姫が織った脚絆であった。
「すばらしい。実にいい出来だ。だが、紐の部分が弱いな」
「申し訳ありません」
「そこでだ。この紐を使ってみてほしいのだ」
瓜子姫が触ってみるとまるで絹糸のようにしなやか。それでいてまるで鉄のような丈夫さを持っていた。
「そなたの脚絆の糸を抜いてこの糸で脚絆を結んでみなさい」
言われる通りにしてみた。すると……。より摩擦が無くなり紐もしっかりと結べた。
「紐の強度が増せば理想的な脚絆になる」
「これを贈物として授けようと思うのだ」
「はい、ありがとうございます」
「しばらくはここから紐を供給する。普及したら人間にこの紐の作り方を教えるぞ」
「ありがとうございます」
「よかったな、瓜子姫」
「うん」
「さ、君の親も心配してるだろうし帰りなさい」
「はい!」
こうして瓜子姫とソルは帰路に入った。指扇まで行き、そこから船に。そして入間に戻った。だが入間に戻ると様子がおかしい。咳してるものが多いのだ。
「なんか変よ?」
道行く人が咳している。
そして……。
瓜子姫は咳をし始めた。
「大丈夫か? 君の家はすぐそこだ」
家が見えてきた。君の両親に顔を合わせるのは厳禁なんだ。ちょっと見て来てくれないか。瓜子姫は走って自分の家に戻った。そこには老夫婦が伏せていた。慌ててソルのところに戻った。
「た、たいへん。おとうとおかあが!」
「あれ?」
「瓜子姫?」
なんと瓜子姫が倒れてしまった。
「瓜子姫? 瓜子姫!!」




