八時間目
八時間目 強襲作戦
僕らはこの前の探索で見つけた洞窟に敵がいるのではないかと考え、強襲をしようと考えていた。早くこのゲームに決着をつけたい、そういった考えもあったが、これ以上緊張の中にいたらいつか本当に頭がおかしくなってしまいそうだという考えの方が大きい。その日の朝、僕らは早めに小屋を出て目的地の洞窟へと向かった。
思ったとおりだった。洞窟の周りには沢山の人の足跡があった。どうやら当たりだ。飛び出そうとする相馬を必死に僕は押さえた。
「やめろ。相手は地雷を埋めているかもしれないんだぞ。死にに行くようなことはするんじゃない。」
「……ゴメン…」
気配を消して敵が出て来るのを待つ。時の流れがここまで遅く感じたのは生まれて初めてかもしれない。それほど、沢山の時が流れていった。そろそろ精神力が限界に達してきた頃、洞窟から敵が出てきた。あれはどうやら赤野と琴弾だ。二人はこちらの存在に気づいてないのだろう。油断した顔で出てきた。僕は気配を殺したままゆっくりと照準を合わせた。相馬とアイコンタクトをする。
(僕が赤野を殺る。相馬は琴弾を頼む)
(分かった)
僕らはそれを確認した後、同時に発砲した。――――命中。
二人は何の動きもないまま、息絶えた。
赤野義弘、琴弾加代班 ゲームオーバー
残りチーム・7
「怖いよ。もう人を殺しても何も感じなくなっちゃった。どうしよう、私、汚れちゃった……。」相馬が暗い顔でつぶやく。
「大丈夫。それももうじき終わる。僕たちで終わらせよう。」
ここにいては銃声を聞きつけたほかの奴に見つけられかねない。
僕たちはもと来た道を急いで引き返した。小屋まであと少し、という所で、女子の叫び声が聞こえた。
(またか…。いったいいつになったら終わるんだろう。嫌だよなぁ。)
こうしてまた一チーム、減ってしまった。
上野隆弘、新岡真由班 ゲームオーバー