六時間目
六時間目 夜襲
今夜も眠れない夜になりそうだ。神経がとがっているという自覚が自分にもあった。まだ足の状態がいいとはいえないが先ほどと比べて痛みはひいて来た。しかし明日は行動することは出来ないだろう。僕が大丈夫でも相馬が大丈夫ではない今、一人置いていくわけにはいかないからだ。今日は相馬も一緒に見張りだ。僕は寝ておくべきだと主張したが、一緒に見張りをすると言って聞かなかった。そしてそれが起こったのはそろそろあたりの虫の鳴き声も聞こえてこなくなってきた頃だった。
僕は半分寝ていたから瞬間気付かなかったが相馬に起こされすぐに状況を判断した。どうやら敵の様だ。またしても第六感が殺気を察知した。気付くともう相馬は武器を構えていた。
「僕が戦う。相馬は下がってて。」相馬に囁いたが
「いや。私もやる。もう一人で戦うとか言わないで。」と、決意のある返事が返ってきた。僕は武器を構え、相手の出方を伺った。無茶に乱射すると逃げられてしまうからだ。すると何かが僕の顔めがけて飛んできた。僕はそれを咄嗟にかわした。ダーツだ。ダーツセットを支給されていたのは確か矢吹、谷崎班だったはずだ。僕たちは全神経をダーツが飛んできた方向に向けた。ガサリと藪が動いたのを見逃さず銃をピンポイントで撃った。低いうめき声がして誰かが倒れるような音がした。それを聞いて僕らは藪の中に入った。中で矢吹が倒れており、そばで谷崎が腰を抜かし、放心状態で座っていた。抵抗をしない人を殺すのはいやだったが僕はナイフを持ってそっと谷崎に近づき目を閉じさせて頚動脈を静かに斬った。谷崎は声もなく死んだ。
矢吹俊、谷崎真央班 ゲームオーバー
残り8チーム
僕が事を終えるとそばに相馬が居り、つぶやくように言った
「どうして?どうして私たちが殺し合わなきゃなきゃいけないの?ねぇもう私、嫌だよこんなの。嫌だよ………………」
「相馬……」僕は泣きじゃくる相馬を見て、そっと抱きしめた…。