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5話 恐ろしい呪い4

「で、この旅の者は何を伝えたかったのかね?」


村長は言った。


ちとくとびしか書かれていない紙を見たんじゃその反応になるわ。


「村長、ちとくとびが書かれているということは…」

勇者を連れてきた初老の男性が言う。

「この者が伝えたかったことはちくびなのでは?」

「そんなことは言わんくてもわかるわい!」


村長が大声で言った。



「いえ村長、そういうことではなく…」

「なんじゃ」

「ちくびと書かれているなら…この者は乳首を見たいのでは?」

「なにっ」


あぁ会話が変な方向へ流れていく…。


「そうなのかね?」

勇者はたずねられるも、黙っている。


くそっ、用件はすべて紙に書いて一切話すなと能力で指示したのが裏目にでたか!


「旅の者よ…」


村長は立ち上がり勇者に近づく。


「わしの乳首…見たいのかね?」


えっ?


「見たいの…かね?」


村長は頬を染めてそう言った。


『キモイっしょこの村長じじい…』

トゥーナが吐き捨てるように言った。


勇者はずっと黙っている。


俺は絶対に見たくないぞ!野郎の体なんて見たくない!というかなぜ村長は乳首を見せつける気満々なんだ。

そうだ能力を使って拒否させよう。

断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ断れ…。

俺は強く念じた。


「こ…」

勇者が口を開けた。


よしいいぞ断れ!

「こ…こ…こと…ち…乳首」


ダメだ呪いには勝てない!!勇者は断ることができない!!


「旅の者よ…」


村長は上半身の服を脱ぎ始めた。


もうダメだ。この脱ぐ動き時点でダメだ。くねくねしながら脱いでいて気色悪い。誰が見知らぬ中年以上の男性の半裸が見たいんだ。きたえられた肉体とかマッチョの肉体ならまだわかるが、村長の肉体は腹がふくらんでいて不健康そうな肉体だ。


「存分に見なさい」


ここからの数分間のことの出来事は俺の中ではなかったことになっている。

ちなみにトゥーナは村長が脱ぎ始めた時点でどこかにいなくなっていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『恐ろしい呪いっしょ?』

「ああ…よくわかったよ」



村長の家を後にした。

げんなりとした顔の勇者のあとをついていく。


「待ってください!」

そこに村人が現れた。

あれは昨日の…


「先ほど魔物に襲われた娘か」


勇者が話した。


「あの時は助けてくれてありがとうございます!」

「当然のことをしたまでだ」


「あなたの強さを見込んで頼みがあります。今はまだ平和ですがあのような魔物がたくさんみかけるようになったのです。退治してくれませんか!」

「ふん…」


勇者は村娘に背を向けてこういった。


「たやすいご用だ」


『あいっち、ここ罠ポイントね』

「何!?」

『この後退治しに行った勇者が罠にひっかかってのゲームオーバーのやつ』

「何!?」


急に言われても何も思いついてないぞ!ううむ…。


俺はチラッと村娘のほうを見た。


「と、とりあえず…」

俺は能力を使った。

  勇者、そこの娘を連れていくと何かあるぞ。


そうすると突然勇者は村娘の腕をつかみ

「えぇ!?」

「いくぞ」

と言って無理やり引きずっていった。


トゥーナに


『計画は?』


と聞かれたので俺はフゥと息を吐いて


「ない!」


とグーサインをして答えた。

何もしないよりかはマシでしょ!!

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