ある朝、俺氏が気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の猫耳ロリに変ってしまっているのに気づいた。
俺の名前は俺。
youtubeでバーチャルyoutuberをやっている。
アバターは当然露出度高めのねこみみロリ!
今日は自信作のスク水衣装モデルを生放送で公開して、ファンたちの下半身を熱く漲らせてきたところだ。
「ククク……やはり俺には女の子の才能があったってわけだ……! ネトゲ黎明期にプロのネカマとして囲い100人を従えた伝説は伊達じゃないぜ! さーて、明日もモデルの調整しないといけないしさっさと寝るかー!」
俺はパソコンの電源を切り、お布団の中に潜り込んだ。
チュンチュン……
鳥のさえずり声が俺の耳をくすぐった。
カーテンの隙間から柔らかい朝日が顔にこぼれる。
「うーん……もう朝か……おや?」
服の裾で寝よだれをぬぐおうとしたとき、パジャマの腕の裾がやけに長いのに気がついた。
先っちょのほうがだぼっとして萌え袖※のようになっている。
なんだろうと思いつつ、ベッドから這い出ると、今度は自分の足元にズボンがポフンと落ちた。
ゴムでも切れたのかと思ったが、どうやら違うらしい。
そして頭の上にも違和感。いつもより頭が重いといういか、髪の毛の上に何か乗っているような……。
きになって腕を伸ばしてみた。
もふっ。
温かくて柔らかい、毛布のような感触がした。
「……えっ」
俺は慌てて姿見鏡に自分の姿を写し出してみた。
「な、なんじゃこりゃなのじゃー!?」
鏡の中には、ダボダボの男物上着を着た。猫耳ロリ娘が写っていた……
(アニメ化した場合、ここでオープニング。登場人物全員でダンス)
※1 萌え袖。服の裾が長すぎて、腕の先が見えていない状態のこと。ちっちゃい女の子がやると大変愛らしく、また、二つの萌え袖を結び合わせて簡易的に女の子の腕を封じるというフェチも一部には存在する。