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1(cv:鹿子木尚)

 誰にだって体を張ってでも伝えたい思いってあると思う。

 俺もそんな一人だ。あの人に自分の思いを伝えたいから、覚悟をみせるために一歩踏み出した。

 これが俺の覚悟だ!


「僕は死にませぇん!」



 柔らかい水中はいつまでも寝ていたくなるような心地よさがあった。

 誰かが俺を呼んでる気がするが、目をつむったままでいたかったから寝たふりをするとこにした。

 意識は再び暗闇へ消えようとしたが、結局そうはならなかった。


「こりゃ! 起きんか!」


 重い瞼を擦りながら起床を嫌がる体を起こすと、ギリシャ神話に出てきそうなジイさんと目があった。

 何を怒っているのか分からないが、ダルマさんみたいな表情のその人は全裸の俺をものともせず見据えていた。


「やっと起きたか馬鹿者め。 神が与えようとした転生を棒に振らなくてよかったな」


 神? 転生? 何の話をしてるんだ。

そもそもここはどこなんだ。俺は・・・・。


 言葉は出ない。ただ疑問を抱えた思考だけが頭のなかを巡り、記憶を辿ろうとするが上手くいかなかった。


「慌てるのも無理はないが落ち着いてきけ。己は死んだのだ」


 死んだ? なんで


「それは・・・・その。 プッ・・・・あれだ」


 口元を拳で押さえてるジイさんは目に見えて笑いをこらえてるようだった。なんだか失礼な人だなと思って、不満が顔に出たのが自分でもわかった。


「すまん。すまん。 とにかく己は死んだのだ。 己に問うぞ、元の世界に帰りたいか?」


 当たり前だ。 ここがあの世なのか知らないけど、すぐに帰してくれ。


「帰りたいか・・・・だろうな。 だが帰すことはできん」


 なんで聞いたんだよ! 


 怒鳴ろうとしても口が開かない。いや、そもそも口のある位置には肌色の空間があるだけで、あるべきものがそこにはなかった。


「死人に口は無いのじゃよ。 もう自分が元の世界の住人でないことが理解できたじゃろ。

少年よ元の世界には帰れぬが、別の世界でなら新しい人生を与えられるぞ」


 感覚的に頬を汗が伝ったような気がした。

 ふざけるな。俺はあの世界に・・・・日本に帰りたいんだ。


「言うたじゃろその世界には帰せんと。 じゃが次の世界にはワシから能力を授けて転生させるぞ、ドラ○エのような剣と魔法の世界。 ハーレムだって築けるぞ」


 マジかよ! 異世界チートハーレムか!? 行く行く是非行きます。


「マジかよ、変わり身の早い奴じゃのう。 して、どのような能力が欲しい?」


 自分の望んだものを召喚できる力!


「ふふっ強欲な奴じゃ。 よかろう! 己に力を与える。 面白い死にかたでワシを笑わせたそなたに第二の人生を」


 やった。こんなことってあるんだな・・・・面白い死にかた?


 眩い光は疑問を奪った。目が慣れてくるとそこは広い草原が広がる丘で眼下に、美しい街並みと広い海を一望できた。


「とりあえず何したらいい? 街に向かってみるか」


 言葉を出すことが出来た。質量感じる体に心の底から喜びが溢れる。

 思わず軽やかに踊り出してしまった。周囲に誰もいないことを確認して恥ずかしさを誤魔化す。


「よかった。誰もいなくて」


 とりあえず、魔王倒したらええんじゃよ。


「居るのかよ!」


 姿は見えないが聞こえてきたジイさんの声に思わず上空を見上げた。

 ただ青空が広がるだけの綺麗な空は、俺が生き返った事を祝福してくれているように思えた。なおもジイさんの声は聞こえ続ける。


 とにかく魔王を倒してみよ。世界を平和にして異世界ハーレムでも作ってみるのじゃ。


「わかった。魔王を倒してみるぜ」


 気張れよ若者よ


 ジイさんの声が遠ざかった。ここからは与えられた力を使って切り開いていくのだろう。


「さっそく使わせてもらうぜジイさん。召喚魔法発動。 召喚対象"魔王"」

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